| MAIL HOME |
手を伸ばしても ペリカンもたぬーきもいないので、おはなしをしてほしいとねだってみた。 蛍光オレンジのティガーの抱き枕をタオルケットに引っ張り込んで おはなしを聞く。 ねむくなるようなおはなしをして と言ったのだけど、アメリカ大統領たちのおはなしだった。 新聞記者だったのじゃないかしら 四角い箱カメラがフラッシュを焚く。スーツに中折れ帽、手帳をもったおとーさんが大統領を追いかける。 ちがうかな とおーくから、腕組みしてただ見てたのかも 行ったことのない国のおはなし。生まれてなかった頃のおはなし。 入ったことのない部屋の中のおはなし。 うとうとのリズムからは遠いリズムのおはなし。 でも眠くなった。 だいじょうぶ、トルーマンの夢は見なかったよ。 だから「大統領ばんざいっ!」も叫ばなかったと思う。 たぬーきは消えてしまって ケータイとおとーさんがおはなしをきかせてくれる。 てんゆもそのうち、おはなしができるようになればよいなと思う。 |
| BACK INDEX NEXT |