珊瑚の日記

2006年02月16日(木) 日記SS。(日記追加)

「え〜…う〜……」


端末に向かって書類作成中のザックス。
机の上に山積みになっている資料をひっくり返しながら、ぶつぶつと唸り声を上げている。

セフィロスに渡す物ならば普段のように手書きで十分なのだが、
今回の書類は上層部にも提出される予定なので、手が抜けない。


「これがこうなって、あ〜なって…」


メモを取りながら分厚い本のページを捲りつつ、一生懸命キーを叩く。
少し進んでは考えて戻り、また進んでは考えて…
遅々とした進行ではあったが、確実に書類を仕上げていく。

珍しく本気で集中していたので、背後に突然現れた気配に気付けなかった。


ブンッ……ガスッ!!


「いってぇ!? 何だぁ!?」


突然後頭部を襲った衝撃に驚き、文字通り飛び上がってしまった。
衝撃はデスクにまで伝わり、山積みになっていた資料本がなだれを起こして床に落ちる。

幸い端末にダメージは無かったが、
仕事を妨げられた事と集中が途切れてしまった事に怒り狂ったザックス。

誰の仕業か知らねぇがタダじゃ済まさねぇ!
と、鼻息荒く後ろを振り返ると……


「……セフィロス……あんた、いきなり何してくれてんの……」

「なに。珍しく真面目に仕事をしているらしい部下に、労いの一つでもと思ってな。」


立っていたのは、何とも涼しい顔で小脇に書類を抱えた我が上司、セフィロス殿。
後頭部を押さえながら床を見ると、黒と赤の包装紙で綺麗にラッピングされた、
シックな外観の細長い箱が落ちている。

手の平に納まる位の大きさのそれを眉を寄せながら拾い上げてみると、
角が見事にへこんでいた。

どうやら頭にぶつけられたのはこの小箱だったらしい。
振ってみたら、カタカタと小さな音がした。
包装紙を見れば、ザックスでも知っている有名なチョコショップのロゴが燦然と輝いている。


「……チョコレート?」

「受け取れ。今日はそういう日だろう?」

「……」


小箱を持ったままザックスは絶句した。全身硬直した。

まさかまさか。あのセフィロスが今日という日をご存知だったとは。
いや、毎年この時期には全国のファンからチョコレートが大量に送られてくるから、
行事そのものは知っていただろうが、それをセフィロス自身が実行するとは思わなかった。

とはいえ、多少間違っているのは否めない。
本来は『女の子が好きな男の子に告白するためにチョコを渡す』はず。


「……入手経路と動機は?」

「そこのメーカーから神羅へ無料配布された。
 新製品のサンプルだそうだ。上層部は皆貰っている。
 俺は余分に渡された上にチョコは今の時期、見るのも嫌だからな。お前にやる。」

「ああ、そういう事ね。
 俺はてっきり、あんたがバレンタインを何か間違えて認識してるのかと思った。」

「最近では友人知人に世話になった感謝の意味で渡されるらしいではないか。
 別におかしくはなかろう。」

「まぁね〜。」


相手が相手だけに少々胡散臭いと思ってしまったが、理由を聞けばなるほど納得。
しかもここのチョコは馬鹿高い上にすぐに売り切れてしまうので、中々手には入らない。
それがタダで、しかも新作を味わえるのだから、ザックスとしては文句はなかった。

……ただ。


「で。その試供品チョコを俺の後頭部にストライクさせる意味は?」

「聞いた話だと、渡す相手に全力でチョコを投げつけてヒットさせれば、
 今年1年厄に見舞われないと……」

思いっきり認識間違ってるじゃねぇか。つか、別のモノが混ざってるぞ、それ。」

「近しい人間であればあるほど良いとか。」

「良くねぇ。俺がソルジャーだったから良かったけど、あんたが全力でブン投げたモンなんて、
 例え紙製の箱でも十分凶器だ。やめてください。マジで。」


英雄と呼ばれる天下のソルジャー様が、チョコで人を殺すなんて笑えないニュースだ。
しかも犯行動機が『行事を誤解していたため』なんて、本気で泣けてくる。


その後、世間ズレした上司の間違った認識を全力で正す部下。

努力の成果か。
数時間後に書類提出にやってきたクラウドにセフィロスは『普通に』チョコを渡したのだが、
その背後には異様に疲れきった表情で端末を叩くザックスがいた。




END?



―――――――――――――――――




試供品高級チョコは2つ貰ったそうです。英雄氏。

何かが間違ってる上司と、それを正す部下。
ちなみにザックスがセフィロスの部下になってから、最初の2月という設定。
無言で南南東に向かってチョコを齧る、とか言い出しかねない誤認識。

それまで他人を傍に置くのも嫌がってたから、『近しい人間』なんていなかったし、
そもそもチョコを渡そうと思える相手なんて居なかったし、
この激しい間違いに気付く人がこの時まで一人もいなかった、と。


何かザックラじゃねぇよ・・・でも浮かんじゃったから許してください。
小説としてアップするにはあまりにも短すぎるので(苦笑)

(現在時刻 16日午前2時)







日記〜。(現在時刻 16日23時30分)


上のSSタイトル 『上司と部下とその補佐官』


今の今までタイトル無かったんですが、さっき風呂場で何となく浮かんだ。
もしネタが浮かんだらまたSSで日記にアップするかも。

年中行事に絡んだ話が多くなりそうですな(笑)
となると、日本特有の行事がらみになったりもするかもしれませんが、
その辺は笑って許してやってください。番外編みたいなノリですので。


神羅時代の彼らの日常が書きたくてたまらない時がたまにあります。
ザックスが苦労してクラウドが冷や汗流してセフィロスが暴力に訴えてるような、そんな小話。
でも正式にアップするほど長くならないし面白くもないし。
ただホントの日常。

完璧自己満足ですのでお許しをおぉぉぉ!






さて、風邪薬も飲んだし、何か頭がボケボケしてるので、今日は早く寝よう。
いや、昨日も早く寝ようとしたんですけど、
上のSSが浮かんじゃったから怒涛の勢いで書き連ねちゃって。
いかんいかん。





Web拍手回答〜


>2時 『風邪大丈夫ですか?〜』の方。
 すいません、ご心配おかけしまして・・・
 相変わらず喉から鼻に掛けてが痛んでおります。
 じ〜りじりと風邪がすぐそこまで!? ・・・さっさと治します・・・
 小説も見てくださってありがとうございます〜
 いやはやお恥ずかしいですが、そう言って頂けますと非常に嬉しいです!
 なんとか続きが早くアップ出来るようにがんばります!


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珊瑚