2003年08月12日(火) |
フランスにおける夫による妻への暴力(統計) |
昨日フランス人の友人と話をしていたら、意外にも多くの日本人がマリー・トランティニャンのことを知らないのにびっくりした。 ジャン=ルイ・トランティニャンは知っていても、彼の娘のことは日本ではあまり知られていないようだ。 この友人は、彼がフランス語を教えている学校で、先日「F2(フランスの国叡TV)」で放映されたマリー・トランティニャンの葬儀のもようのニュースを授業で取り扱ったら、生徒たちのあまりの半応の薄さに拍子抜けしたそうな・・・。 と、わたしもそのことを聞いてちょっと拍子抜けしてしまった。
日本で「家庭内暴力」というと、真っ先に思い浮かべるのがこどもが親に対してふるう暴力のことだが、自由・平等・博愛のフランスにもこの「家庭内暴力」は存在する。ただその実態が少し違っていて、フランスの場合は、夫が妻に対する、または、結婚していなくても、一緒に暮らしている男が女に対しての暴力のことである。
マリー・トランティニャンが亡くなったときに、フランスで真っ先に論議を呼んだのがこの話題だった。 8月6日に執り行われた葬儀にも数多くの女性たち(被害者)がマリーの葬儀に参列し、そして、9日土曜日には、200人ほどの人たちが集まり、マリー・トランティニャンと、彼女のように暴力によって亡くなった被害者に対しオマージュを捧げる集会があったようだ。
2002年に公式に発表された調査結果(Le Monde.fr の記事)によると、なんと!フランスでは、一ヶ月に6人の女性が夫の暴力によって死亡しているらしい。 そして成人女性10人に一人がこの暴力の犠牲者であり、25歳以下の犠牲者の数が、25歳以上よりも2倍にものぼる。 またこの「暴力」は、いわゆる殴る蹴るのものにとどまらず、性的暴力、心理的暴力、経済的暴力など多岐にわたっている。 また、暴力をふるうのは、貧困やアルコールが原因と見られがちだが、実際のところ、全ての社会階層のなかで見られると記事には書いてあった。
続・フランスにおける夫による妻への暴力(統計)
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