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2003年10月31日(金) 滅入ること。清々しいこと。

●郊外の稽古場に向かうため、普段は乗るることのない朝の満員列車に乗ることが多くなった。乗っていて、最も嫌な気持ちになるのは、被害者意識の強い人とか、朝から苛立ちを満面に表してやたら舌打ちしたりする人なんかと、乗り合わせること。
 腹がたったりはしなくても、情けない人が多いことよ、と、寂しい思いをしたりする。

 朝の満員電車通勤をはじめてから、短い間に2度の人身事故による遅延、ラッシュに巻き込まれた。
 それがどんな事故であったかは明らかにされないが、やはり自殺の事に思いがいく。
 日本の昨年の自殺者は、3万2千人余。
 信じられない数字だ。
 戦地への自衛隊派遣より、この国の惨状を、もっと考えてほしい。

●今の仕事には、16歳の才能溢れる女優が出演している。輝くばかりの若さと、海綿のような吸収力、ヴィヴィッドに動く心の柔らかさ。
 一緒にいるとこちらまでも清々しい気持ちになる。
 稽古をつけている合間に世間話をしていたら、なんと、お母さんがわたしと同い年だった。まあ、16歳であれば、ちっともおかしくないのだけれど、何やら変な気持ち。
 恋に揺れ、仕事で一喜一憂し、明日を夢見るわたしと、横並びに、彼女はいる。
 結婚をしないで、子どもを持たないで生きていくってことは、いつまでも年齢の枠で自分を制御せず、一人の女で、一人の人間で、いるってことなのかもしれない。


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