Journal
INDEXbacknext


2003年07月02日(水) 残りわずかな独身生活。●病気志願者(M・D・フェルドマン)

●来年の仕事のキャスティング打ち合わせに出かける。制作事務所には、わたしを女優時代から知っているプロデューサーがいて、しばし昔話。東京に出てきて、大学2年の頃からもうギャラを貰って働いていたから、業界に居続けた時間は長い。そのプロデューサーと初めて会ってからでも、すでに18年経っている。
 どーんと売れた人。やめていった人。亡くなった人。相変わらずな人。様々な共通の知り合いのことを話していると、どんどん時間が過ぎてしまう。感傷はあまりない。ただ、たくさんの人と出会っては別れ、出会っては別れしてきた日々を思う。わたしのやっているのは、そういう仕事なのだと改めて思う。
 メインキャストはほぼ落ち着いたが、群衆劇なので、あと30人ほども選ばなければいけない。
 売り込みがきたからと渡されたたくさんのプロフィールを見て、いつものことだが、こんな紙っきれに書かれた情報だけで何がわかるか!と感じる。
「オーディションしよう、オーディション!」と言って帰ってくる。まあ、短い時間でオーディションをしたとて、どれほどのことが分かるわけでもないのだが、それでもまだ、ちょっとは誠実だ。歳のせいか、誠実に仕事をするというのはどういうことなのかと、折りにふれ考える。

●毎日、ただひたすらに本を読んでいる。家でさんざん読んでいるくせに、電車に乗っても、お風呂でも、ベッドでも、余すところなく読んでいる。
 独身生活の残り少ない自由な時間をどう過ごすか、なんて、考えているわけでもないのだけれど、むさぼるように、読書の快楽に身をひたして過ごしている。自分はやはりこの時間が好きだったのだと実感したりしている。
 仕事が始まれば、自分の時間などほぼないに等しく、また、人と深く深く関わっていく時間の積み重ねになる。わたしは休みの間、いくら一人でいても飽きない人だ。
 
 そう言えば、若いときから、1本の仕事が終わって休みが少しでもあると、電話線を抜いて、本を読んだり、何やら書いたりして過ごしていた。会うのはその時々の恋人で十分だったりした。それで、ようやく、バランスが取れていた。

 こんな自分が、三代の男家族の中に入り、義父の世話をやいたり、新しく出会う息子の面倒を見たり、本当にできるんだろうか。
 不安はもちろんつのっている。でも、自分の人生の新しい側面が切り開かれることに、期待感も高まっている。
 土曜日の対面は、もう目前。


MailHomePageBook ReviewEtceteraAnother Ultramarine