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| 2003年06月25日(水) |
若い奴ら。●対話篇(金城一紀) |
●久々、外に出ていく仕事。8月から本格始動するもののプレ稽古。キャスティングのために、歌のキーを確認したり、何系のダンスがどれくらいいけるかのチェック。 今度の仕事は、とにかく若い子が多い。もう、みんな驚くほど若いのだ。14歳、15歳から始まって、若者組は34歳まで。30歳34歳のミュージカルベテラン組が、かなりのおじさんに見えてしまう。そして、若い子たちは一様に突っ張っている。売れてようが無名だろうが、上手かろうが下手だろうが、「俺が」「わたしが」って気持ちが全身からみなぎっている。スタート地点に立ったばかりの者の特権であるし、せめてそれくらいはないと、スタートする資格もないってところか。
しかし。そういう若い奴らは、自分が求めるものを与えてくれる人々には、驚くほど素直だ。心を開いてくる時間差こそあれ、1本の芝居を作るうちに、わたしは必ず若者たちの姉になってしまう。 たくさんの弟候補妹候補を眺めながら、「ああ、また新しい出会いの時だ……」と、何度その瞬間を迎えても、の、新鮮な感慨を味わう。 彼らは若いってことだけで、小さな社会の中にどっぷり浸かると、過剰に愛し合ったり過剰にぶつかりあったりするので、まあ、起こることは起こることとして眺めていて、本当に困ったときだけ緩衝材になってあげようとする。……自分が自分の深い業とつきあって青春期を過ごしたおかげで、わたしは彼らの目線に近づきやすい。もちろん、人とつきあうのに決まった答えなどないので、その都度の真剣勝負になるのだが。
●稽古後、大人たちが顔をつきあわせて、若者たちを値踏みする。オーディションだのキャスティングだの、俳優達を商品として値踏みをしないでは仕事にならないわけだが、時には、その仕事を誤解している大人たちもいる。自分が何様なんだか知らないけれど、人を取ったり捨てたりすることを自らの権力と思いこむ人。勘違いしてるんだよな。うん、相変わらずいる。 きっとどこの社会でも必ずいるんだろうね。
●帰宅後、金城一紀「対話篇」を読む。若者たちと知り合った夜には実にタイムリーな作品。一晩で読み尽くす。
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