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しばらく前から気落ち中。職場での先輩たちとの実力差甚だしく、そして会社から出向で来たらしい若い女性。この方がもうあっさり私を追い抜いている。さらにはリーダーチームへの出向なので、リーダーさんたちにすっかり溶け込んでいる様子を見ると心がざわつく。嫉妬心から彼女に八つ当たりなど絶対にしてはいけないと自分に言い聞かすほど、正直心は乱れている。それと、私がいつも最後の一人になってしまうので、それまでチェック役のリーダーさんを待たせてしまい、終われば終わったで「大丈夫大丈夫!」と嘘か本気かわからない励ましをされる。そんなことに疲れてきたこの一か月。劣等生を一か月もやっていると、気が付けば十分過ぎるほど卑屈になっていた。
そんな風で今日も虚ろな気持ちを持て余しながら、帰宅途中にイオンに寄った。ちょっと聞きたいことがあって近くにいた店員さんに質問したら、これが目が覚めるほどの不愛想っぷり! いやー、頭にくるどころか感動してしまいましたよ。彼女はあのままでいいんです。いやあのままでいなきゃいけない。日和って優しいふりをしたり、嘘くさい笑顔なんて作らなくていいの。私は勿論接客業じゃないけれど、副所長からは「笑顔を意識して」と言われる。でも今日の彼女は接客業なんだよ。接客業=笑顔みたいな常識に唾を吐くかのように。己れの美学を貫いている人に見えたのだ。
ありがとう。あなたに会えて私の憂鬱が弾けた。
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