世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年04月10日(水) 第102夜 ★映画で旅するイスラム 5 カンダハール★ 

家の中の片づけやメール、手紙などの処理をしていたら、夕方になった。

夕7時10分、友達のsakurannkoさんと新宿武蔵野館「カンダハール」に行く。
ストーリー的には、ひとり国外脱出した女性が、希望がない・・日食の日に自殺するという妹の手紙を見て、彼女の自殺をとどめにアフガニスタンに、カンダハールに帰る、というもの。
本当は妹と父と3人で国外に行くはずだったのだが、妹が地雷を踏んで、不可能になり、父と共に残った。父は死に足をなくした妹はひとりで・・ということになっている。

夫や、家族がいないと、女が旅ができない現実。
仮装の夫を持ち、道で出会った少年に金を払い、弟と偽って旅の道ずれにする。
トルコで、夜行長距離バスの隣りの席に座った若い女性に「何であなたはひとりで旅をしているの?」と訊かれたことがあった。
「私の国では、女もひとりで旅をする」とこたえたっけ。

それにしても、地雷で足をなくした人の多いこと!!
アフガニスタンに帰る難民の子どもたちに、地雷だから人形を拾ってはならないという教育をするシーン。
むらむらと、怒りを感じた。
誰がこんな国をしたんだよう。
いつも弱いものが犠牲になるんじゃないか。

後半、希望を、希望として望まねばならないということが淡々と語られていく。
花嫁のブルカ行列の中に紛れ込んで何とかカンダハールに着きそうな気配で映画は終わった・・・。

シーンそのものは美しいところが隋所にある。
死体は白骨化した女性が一体出てきただけ。
まあ、今のアフガニスタンの現実はあんまり反映していないだろう。

同じ監督の作品である「サイクリスト」の方が私はいいと感じた。

帰りにsakurannkoさんと、いっぱいやりましたが、女が「社会生活」できるこの国の当たり前の現実がかの国にはない、なかった?んだと、思わず考えたものだ。




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