おひさまの日記
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2009年09月13日(日) これでいいのだ

人にはそれぞれスイッチがあるみたい。
どんなスイッチかと言うと、なんらかの感情がだーっと湧いてくるスイッチ。
私が「あ」と感じるのは、つらい感情が多い。

私のスイッチは「できない」ことや「間違ってる」ことを指摘されたり、
「あなたじゃダメ」という意味合いのことを言われたり、
何も言われなくてもそういう表情や態度をされたりすると、
つらい感情が一気にだーっと湧いてくる。
特に、誰かと比較されたり、
よかれと思ってしたことや頑張ったことに対してそう感じる反応があると、
崩れ方もハンパじゃない。

あなたは間違ってますよ、よくないですよ、ダメですよ、
時と場合にもよるけど、そうした否定されるような類いの反応で、
パチンとスイッチが入り、気づくと涙がこみ上げてきて、
私はダメなんだ、なんで私はこんななんだろう、私ここにいてごめんなさい、
そんな思いでいっぱいになる。

そこまでストライクゾーンに入っちゃわないで、
もっと楽に受け止められればいいのに、って思うけど、
もうこれは仕方ないのだ。
トラウマちゃんの成せる技なのだ。

それは、私の子供の頃の感情、インナーチャイルドの傷ついた心、その痛み。
「あなたはダメ」という言動を受けることがスイッチとなって、
何十年も前の、でも、潜在意識の中で今もうずいているそんな痛みが、
突然飛び出してくる。

パソコンのアプリケーションがクリックで立ち上がるように、
心の傷がスイッチでよみがえり痛みが再生される。
まさにプログラミングだ。
42歳の私が、その瞬間、5歳、10歳の子供に戻ってしまう。

子供の私は耐え切れないその痛みにえーんと泣く。
幼い頃、両親との関係の中で、彼等から受けた言葉や行為によって、
深く傷ついた心の痛みが、同じような状況を体験することにより、
時空を超えて瞬時によみがえってしまう。

長いこと心の世界にたずさわってきて、
そのことをイヤというほどわかっているけれど、
わかっていることと、それがなくなることは別で、
今でもインナーチャイルドはしばしば現れ、助けを求める。
つらいよー、って。

今日もそんなことがあった。
仕事でミスをした時、社員さんに指摘された。

「接客が丁寧で言葉を多く使うから間違えるんだよ。
 喋れば気が散るし、喋る時間がもったいないし、
 黙って集中して必要以外のことは一切喋らずやって。
 ○○さんみたいに黙ってクールにね。
 無愛想になれとは言わないけど、普通にやってればいいんだし、
 えみやさんみたいな接客は郵便局のマニュアルにないから」

そう言われた時、スイッチが入った。

言われている最中から涙がこみ上げてきてしまって、
マズい、ここで泣いたらいかん、そう思って必死にこらえたけど、
こらえきれるものではなく、どんどん涙が出てきてしまう。
すみません、そう答えるのが精一杯、仕事で別の階に行くふりをして、
トイレの個室に入って声をあげて泣いた。

そういう時は、何が正しいとか何が違うとか、そんなことはどうでもいい。
ただただ突き上げてくる感情に翻弄される。

その反面、泣きながらもそんな自分を静かに見ている自分がいる。

「小さい頃もこんな気持ちでいたんだな、私…
 つらかったんだな…
 自分を責めてたんだな…」

そうした感情のフラッシュバック体験はかなり強烈なものであり、結構尾を引く。
落ち着いて心が穏やかになるまで時間がかかることも多く、
そのつらい気持ちの余韻がだらだらとまとわりつく。
だから、インナーチャイルドと一緒にいてあげようと思う。
つらかったね、悲しかったね、って。
それでどうするとか、だからどうなるとか、そんなのどうでもいいの。
ただ、感じるだけ。

そんな時、私はとても重要な体験をする。
自分がそうして痛みを感じていると、
周りの誰かが同じ痛みを持っていることに気づくのだ。
まっさきに浮かぶのは、娘、アンナ。
そして、abu、父、母…

すると、強い想いがあふれてくる。
まだまだいびつな私だけど、愛を与えていきたい、
痛む心があるなら、それを救うために何かしたい、
そんな気持ちになるのだ。

とてもうまくできているのね…
つらかったけど、よかったな…
すべての体験に贈り物があるのね…
そう思う。

そして、いつもよりちょっと元気のない私は、
深呼吸してキッチンに向かい、冷蔵庫を開けると、
キュウリとナスの浅漬けの入ったタッパを開けて、
立ったまま菜箸でお行儀悪く食べた、お腹減っちゃったしね。
生きてるって悪くないね、そう思いながら。

故・赤塚不二夫氏の「天才バカボン」の名台詞、

「これでいいのだ」

それを心の中で繰り返した。


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