おひさまの日記
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今日は久々の週末のオフ。 アンナと公園で遊んだ。
鉄棒でアンナ逆上がりの練習を始めた。 高さが3段階あって、一番高い鉄棒なら大人もできるので、 おもしろ半分で私もいっちょ逆上がりをしてみようと思い、挑戦した。
で、で、できない…。
子供の頃は逆上がりどころか空中連続逆上がりまでこなしていたのに、 できないじゃないかーっ!!!
愕然…。
悔しくて、何度も何度もやるうちに、やっとの思いで1回できた。 でも、その後はまだダメ。 手にマメができるほどムキになって繰り返すうちに、 なんとか3回に2回程度はできるようになった。
大の大人が狂ったように逆上がりをしていた光景は、 一種異様だったかもしれない。
でも、楽しかったな。
実家のそばの公園だったので、公園までの行き帰り、 私が小さい頃通った道を娘と歩いた。 不思議な気持ちだった。 小さな自分が歩いた道を、今自分の小さな娘が歩いている。 昔は広く感じていた道路がとっても狭く思える。
実家と公園までの間に、今となっては珍しい広い草原がある。 私はそこを広場と呼んでいた。 そこは私のお気に入りの遊び場だった。 広場を囲ってあるブロック塀の上を歩く 「世界一周」と勝手に名付けた遊びが好きだった。 ただブロック塀の上を歩いていただけなんだけど、 夢中になって何周もしてたっけ。
帰り道、逆上がりで子供がえりしていた私は、 そのブロック塀によじ上った。 そして、アンナに 「昔ママはこの上を歩いて遊ぶのが好きだったんだ」 と言うと、子供の頃のようにブロック塀の上を歩いてみた。
傍らで見ていた母は、 「恵美がこんな遊びしてたなんて知らなかった。 こんな危ないことして落ちなかったの?」 と笑いながら言う。 母は小さなそば屋をやっていて、 私と遊ぶことはほとんどなかったけなぁ。
私は「落ちたことなんかないよ」と答えた。 アンナも加勢して「子供はバランス感覚がいいんだよ」と言ってくれた。
本当は1回だけ落ちたことがあるんだよね。 そして、狭いドブにハマったんだけどさ。 落ちたドブにおしりからスッポリハマってしまったの。 でも、そこにちょうど段ボール箱が捨ててあって、 そこに落下したおかげで、 痛い思いすることも濡れることも汚れることもなかったけ。 その時の偶然のラッキーをとても嬉しく思い、 なんだかとても素晴らしい体験をしたような気がして、 ワクワクしたことまで思い出した。
思い出しながら、私はその時の気持ちを再体験していた。
そういう瞬間瞬間、私達は無意識のうちに幼児期退行してるんだな。
子供の頃の楽しい記憶を辿るようになったのは、 たくさんのセラピーを受けて、閉じ込めてきた痛みに出会い、 それを感じるようになれた頃からだった。
辛いことを感じないように感情を閉ざすと、 同じ感情のカテゴリーの中にあるポジティブなものまで閉ざされてしまう。
私がおばあさんになって、子供の頃を思い出しても、 きっと今日のように、鮮明にその時のことを思い出すのだろう。 そこでの出来事や光景、匂い、感覚、感情、あらゆるものを。 そして、ただ、ひとりほほえんでいるのだろう。
そうした出来事を思い出すとき、なぜだろう、涙が込み上げてくる。 悲しい涙じゃない。 懐かしく、胸が熱くなる愛おしい記憶。 それは、私が、辛い幼児期を過ごしたにしても、 そこにはそれとは懸け離れたきらきらした時間もあったことを教えてくれる。
今日は私のワンダーチャイルドに出会った素敵な日となった。
時々、また子供がえりしに行こうと思う。
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