ショート・トリップ
 idea



 クジラ+α

"走っても、走っても追いつかず――"


 ラピスラズリ色のインクで書かれた、妙に力強い言葉。真白の筆記机の上に置かれたメモ用紙を取り上げて、オッフェは口に出してみた。裏返すとくっきりと筆跡が残っているこのメモを書いたのはキリコだ。彼は力無く揺れる頼り無い木のようなのに、意外としっかりとペンをもつ指にいつもオッフェは驚かされる。あの白い指がこんな強い力を出すなんて。真剣な表情で文字を書くキリコを思うとくすぐったいような、そんな気分になった。

「…"黄色い丸いお月さまは、抑揚に構えていて"」
「"いつもはぐらかされてばかりだ"、だったっけ」
「違う、違う、"追うことを許していながら、決して近づけさせない"
だよ」
「いうね、月も。」
「作者が、でしょ」

 窓に寄りかかったキリコは笑いながら言い返してきた。手には一昔前に流行った歌の歌詞表が開かれている。薄い月明かりが照らす中、ページをめくる静かな音がする。
 彼が寄りかかっている壁は一面が硝子張りで、大小のいくつもの窓が設けられていた。手元の簡単な装置で開け閉めができる高窓からは、涼しい夜風が入ってきてゆらりとカーテンを揺らす。それとともに甘露のような香りも舞い込んできていた。うとうとと眠気に誘われていたオッフェは久しぶりに深呼吸をし、風を楽しんだ。

「…その曲はどこへいったの」
「さぁ、無くしたかも」

 島へ来たばかりの頃はよく聞いていた。そんな曲も今はメロディさえも思い出せない。キリコも同じなのか、歌詞を呟くだけで音にのせて歌う事もないようだった。

「でも、いつか思い出すよ。ふと何かのきっかけで」

 笑いながらキリコが歌詞表を渡してくる。それを受け取って手に持っていたメモ用紙を挟んだ。
 いつの間にか月は、夜天のはるか真上に来ていた。風もさらりと涼しさを増し、昼間の真夏の暑さが嘘のようで。カラリとした中にほんのすこしだけ湿気を含んだ夜風が、開けられたいくつかの窓から流れ、月と夜天色に染められた部屋をめぐり、抜けていく。

 オッフェは瞬きをする間に見たラピスラズリの鮮やかな色が、こころを軽くするのを感じた。



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月曜日??に書いた日記の日付がとんでもなく(というか、7月のカレンダー見てたね)、ここ2・3日日付に混乱がきたしています。オーウ、どうしようと悩んだ挙句、昨日の日記の下に書く事にしました。昨日も間違えていた様子です。一体どうした。

イエーイ(…)明日から夏★休み!!!!
といっても4日間だけですが。うーれーしーいいなー。と思ったら早速7月分の研修資料を作成しなきゃいけないようですよ。用事から返って来たら、机の上に置かれていたよ。なんだそりゃっ。ひーどーいッ!!本気でないてしまう。あーうっかり『明日・明後日もきますよ!(市)』なんて言わなきゃよかったです。明日書いて、明後日園に持っていきます。あたし抜きで研修資料かいてくれ(笑)初日から研修資料とにらめっこ、です。

明日も暑くなりそうですね。日記を振り返ったら4年前は、農家でブルーベリー狩りをしていました。もう4年もたつのか??!!がーん、早い。花の(笑)高校生に戻りたいです。うわーん平成生まれの弟がうらやましい!!妙にそのころからの記憶がはっきりしているので、年数を指折り数えてほんとうにびっくりしました。そして全然ココロが成長していないね(かなしいかな)もっと大人になりたいです。大人って何が大人なの、というかそんな感じがあるのですが。身の回りの事をふつうに自分で遣ったり、片付けられるようになりたいなぁ。

遠く、遠く、行きたいとおもうこころの、逃げ道で。もっと近くを見て自分でかんがえたり、行動しなきゃ、いけないんだ。

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2006年08月09日(水)
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