同人愚娘。
もくじきのうあした


2007年02月27日(火) その春をうたえない



こえが出ない。

おとが聞こえない。

いきができない。

それでも、いいと

おもってた。










廊下から不覚にも覗いてしまった。
視線のさきに、彼がいた。
僕に気づかず笑っていた。
「一緒に帰ろう」とも「何を話しているの?」とも
そこに近づくこともできなくて、カバンから引っ張り出した
イヤホンを両方の耳に詰め込む。
ほら、何も聞こえない。
目を閉じる。
ほら、何も見えない。
すれ違う女子はきっとボクを笑っているんだろう。
それだって、今僕が見なければ事実ではなくて。
そうやって、やりすごしてあるいていくんだ。

電車での指定席はドアの横。
視線はつねに窓の外。

耳から聞こえるのは、はるのうた。
でもボクはそのはるをうたえない。
ドロドロに流れるぼく内側にとけているからだ。
だからぼくはそのはるをうたえない。

このはるをつたえない。















ネガティブなめがね男子の物語が書きたくなったの。
指突っ込んで吐かせたい。


カガミ