珈琲の時間
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2002年02月14日(木) S#58 朝子の部屋

 武が入ってくる。
 朝子、オウムに餌を与えている。

オウム「バカ、バカ...」

朝子「なに勝手に入ってきてんのよ」

武「えっ、だって今まで...(武、机上に半分残された栗弁当を発見して)     
  栗食ったら、目がクリッとなってかわいくなるのに。
  それに朝子さんて栗みたいだと思うんだ。トゲがいっぱいあるけど
  中身はホントは甘いオトメなんだよ...
  マンガかいたんだよ、朝子さんの為に」

朝子「はぁ?」
  
  武、かばんからスケッチブックを取り出す。

武「読んでよ」

朝子「...」

オウム「バカ、バカ...」

武「(オウムに)だまれ。...直系10メートルのホットケーキを作って、
  一人で食べると望みがかなうって信じてる女の子がいて、
  その子がケーキをつくろうとする話なんだけど」
 
 武、朝子にスケッチブックを渡す。
 朝子、読みはじめる。ヘタクソな絵。
 オウムをいじめる武。
     ×  ×  ×
 朝子、読み終える。

武「どうだった?」

朝子「...なんで10メートルのホットケーキなの?」

武「えっ、だって、朝子さんホットケーキ好きだろ?」

朝子「別に」

武「そ、それに、あれだぜ。ホットケーキってのは、あれだよ。
  1930年代にアメリカはユタ州でできたケーキなんだけどさぁ、
  えーと、あるケーキ職人の見習いの若者が、町の女の子に一目ぼれして
  大恋愛の末に、すっゲェでかいケーキを焼いてプロポーズしたんだ。
  あまりにもホットなプロポーズだったから、それで町の人たちが
  ホットケーキって呼びはじめたんだよ」

朝子「...」

武「それ、読んでるだけで燃えてくるだろ」

朝子「ウソつき」

武「ウソじゃないよ」

朝子「アメリカじゃ、パンケーキっていうのよ」

武「変わったんだよ」

     ×  ×  ×

 

   TVゼミA班「足立組」卒業製作シナリオ『荒野のホットケーキ』より   


urahihc |mailココロのスキマ

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