お気に入り・選抜映画感想日記
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 さまよう刃

監督  益子昌一
出演  寺尾聡  竹野内豊  伊藤四郎  

最愛の娘を青少年二人に強姦、殺された父親が復讐に走る。
それを食い止めようとする刑事。

東野圭吾原作

原作は未読。
でも、面白いにきまっている<笑>
映画もきっと面白いと思ってたけど、やっぱり面白かった。

全体的に、セリフが少ない感じがしました。それが作品の緊張感にもなっていて
音楽=音が効果的に使われていました。
目立つ女優が独りしか出ていないのもあり、地味ですが硬派で重みがあります。

テーマは、洋画、邦画ともに、よく扱われる子供を殺された親の復讐、未成年の犯罪に対する法の壁なのですが、どう「料理」しているのか楽しみで見ました。

さすが!!!!

なんて、喜んではいけない。こんな重い問題と反省したりもしながら・・・。

昨今、どうしても納得のいかない未成年の殺人事件が、私も3つほど
心に焼き付いているので、、、、わなわなしました。

終盤、赤信号をつっぱしり、警察に協力しながらも、逃げる少年。
犯人のパシリでもあり、父親にチクリった少年。
なんだ! こいつ! 逃げるか〜! 馬鹿やろう! と手に汗にぎりましたが、
犯人男につかまって
「なんで、おまえ、死んでないだよ?」と、ナイフ出したとき、
おおお!!  やった! そうか! そうだ、そうだ! と興奮しました。

このぱしりの少年の登場が天才原作者らしい展開です。

しかし、ここではまだ終わらない。
ここで、犯人が殺されれば、ある意味、ハッピーエンドとか私は思っちゃうのですが・・・。

おちはもうひとつ。
犯人に恐怖を与える・・・。それっきゃない! それが父親の苦肉の策。

そうだよな。死刑にしたって、殺したって、そんなもので被害者の気持ちは収まらないよ。
昨今、「はよ、殺せや!」と開きなおる殺人鬼も居たしね・・・。そんな奴を見るとなおさら。

「長嶺に未来はないんだよ」と伊藤四郎ふんする刑事が言ったせりふ。
ずしん!と、来ました。 嗚咽がこみ上げてきちゃったよ。
被害者は、どんなに辛いことか・・・。ちきしょう!!

「親切なクムジャさん」は、居ないのかぁ〜!!! と心の中で叫びました。

<山荘のおじさんが、ソフトにそのノリなので、ほっ!としたけど。>

考えこんでしまう作品でした。
社会派サスペンスの醍醐味堪能!!
東野はうまい。。。

☆☆☆☆


2009年10月23日(金)
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