お気に入り・選抜映画感想日記
daya



 みなさんさようなら

http://www.comstock.co.jp/nowplaying/lesinvasionsbarbares/
↑公式サイト

アカデミー外国映画賞受賞。

末期がんで、終末医療を向かえる、元左翼の教授である老人と、その家族・・
友人・愛人達の話。


フランス語圏の「カナダ」の話です。

ちょっと、「問題じゃん・・・」と、感じる作品でした。

死を目前に、不仲だった息子や、長年別居中の、妻などの、
ユーモア溢れる会話や、バトル・「絆」は、まあそれなりによかったとして・・。

まさか!!!と、私はお口「あんぐり」になってしまった・・。

なぜって、最後、家族に見守られながら、ヘロイン大量投与の「尊厳死」。
<「安楽死」とも言うなかな?>
老人として、理想的な「死」になるのでしょうか・・・??

だらしねぇ〜〜ぞ!!まじめに、死を受け入れろ!!

「左翼のあまったれ小僧!!頭でっかち!」と、つぶやきたくなってしまった・・。
<私は、右では、ありませんが・・あはは>

この主人公の教授、「アメリカ史」の教鞭とってるみたいなんだけど・・

どうも、作品全体が、アメリカ的??ってゆーーか、
「マインド」作品。頭に訴えている作品。
「知的」って言う人もいましたが、まさにそんな感じでした。

最後まで、「死でいく意味」を考える主人公・・
「・・・誰もが迎えること・・受け入れなきゃ・・」とつぶやく
ジャンキーの姪っ子は、一番人間的に見えた。

英国で証券マンとして成功して、「お金もち」になった息子。
<札たば、ばらまくのよねぇ〜・・>
海を走る娘。
宗教画を扱う美術商の嫁、「家庭」を楽しむ友人、うさんくさい組合、
無気力な学生。。。。。明るい愛人。。

それぞれが、それぞれに、自分なりにたくましく、
生きる意味をもっているのでしょう。。

でもねぇ〜・・・・
死んでいくのに意味を考えたら、「自殺」でしょ〜・・。

この監督も、こんなありようを、ただただ肯定的に
描いたのではないと思うけどね・・。

問題意識を、投じる作品ではあるよなぁ・・と。
疑問符沢山残ります・・。
世間では、「理想的な終末医療」との声が多いですが。。

お金ばらまいて、理想的な「終末」を作り上げた、親孝行の息子・・
金さえあればなんでもできるのよねよ〜<苦笑>

何かを、「する」「変える」と言うことは、反面現実を受け入れられないってことでもあるし・・

活動家として、人生を放蕩し、「人類は虐殺の歴史だ!」と吠えていた主人公もまた「革命的」な死をとげたのねぇ〜

↑皮肉たっぷり。

金で、死を演出するなんて、まさに資本主義に負けたのね〜
だから、左翼は「頭」だけって言われちゃう。

もう、散々好き勝手にやってきたのだから、最後ぐらいは、おとなしく
なすがままに、なれよ〜〜<笑>

なんやかんや、吠える自分ですが、痛いのは、いやなので、
自分も、痛み止めとしてなら、ヘロイン使いたいです。あははは

うちの父は、脳梗塞で、半ぼけで施設にいました、気がついたら、全身癌だらけでした・・
さぞかし、痛かっただろに・・。
いろいろ悔しい思いは、あるけれど・・

老人は、ある日突然、「真っ暗」な死に突入するのではなく、
だんだんと、ぼけて、「灰色」になり・・昏睡し、<あるいは夢想・妄想>し
現実から、離れていくのだ・・そして死入っていく・・。

と言う話を聞いた時、すごく自然な気がして、父の死を受け入れることが
できました。痛みに耐えながらも、もうろうとしていた父を尊敬してる。
生きてる自分がまじめに、生きなきゃね〜・・<涙>
<ところで、うちの父って、真っ赤な、左翼だったんです。あは
関係ないか!!余談>

もちろん、いろんな「死にざま」があるのだけど、「リアル」の中で
真っ当するのが、尊厳だと思う・・。逃げてはいけない。。

そんな意味で、どうにも、こうにもリアリティーのない作品でした。


みなさん、さようなら・・

じゃないでしょ〜・・<吠える!>

普通、「さようなら」は、死んでから、生きてる周りの人間が言うことで、死の意味は、生きてる家族や、周りの者が考えていくものだと私は思うのです・・。
それが、人間のもつ「関係性」の素晴らしさだし・・つながりだし。
「死」自体、どんな死に方しようと、花が枯れるように、たた死んじまう。消えてしまう以外の
なにものでもないんだから・・・。

あの、臨床の状態なら、
ヘロイン打ちながらでも、もう少し「待つ」ことはできなかったのだろうか?


おっと、この映画って、息子や娘との、家族愛の物語だったんだよね????
まあ、それはわかるんだけど。。
あんまり、感情入れ込めなかった・・。
最後の最後まで、わがまま親父で、好き放題やらかした、
それを、家族が援助したってことかしらぁ〜〜・・・。?はて?

どうもすっきりしないでの、今、検索してみたら、この作品
原題が、「野蛮人の侵入」だそうだ。。。

自然の摂理に侵入した、あんたが一番、野蛮人???<苦笑>



人間にとって唯一平等であることは、「死」だけだ。<和尚>

↑私は、この言葉好きです。




2004年06月12日(土)
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