DEAD OR BASEBALL!

oz【MAIL

Vol.202 粗末で不誠実な爆弾ゲーム 追記1
2008年11月23日(日)

 ※11月22日夕方追記

 11月22日夕方に落合博満のコメントが出た。共同通信の速報によると、『現場もフロントもタッチしていない。あくまで選手個人の判断』とのこと。白井オーナーの発言との整合性を取るなら、『フロント・監督の意図としては故障者は出さない。岩瀬、森野、高橋、浅尾は故障ではないが、本人の意思により辞退した』ということだろう。それならば、各選手は自ら理由を明示した上で辞退すべきではないか。

 いずれにせよ、落合がこのタイミングでこのような発言をするということは、真意がどうあれ選手に批判やバッシングの矛先を全て預けたように見える。世論が「中日は非協力的」という方向に傾きつつある現状、真っ先に選手を矢面に立たせて球団の関与を否定しようとするコメントは、責任を転嫁していると見られても仕方ないだろう。『NPBやファンを納得させようとは思わない。でも代表の監督でもコーチでも、NPBでも話にくればいい。ちゃんと説明してやるよ』という傲慢なコメントと態度が、火に油を注いでもいる。

 『うちはけが人が多い。落合監督もけが人は出さないと言っている』というコメントが白井オーナーから出ている以上、中日球団フロント・首脳陣の間の統一意思として、WBCに選手を出したくないというのはあったと想像できる。少なくとも、全員辞退ということに球団幹部と監督が関与していないというのは、どう言葉を重ねても受け入れられ難いだろう。WBC代表参加について、もし実際は選手個人の意志よりも上に球団の力が働いているとしたら、それは日本球界に対する背信行為である。

 事実がどうあれ、“そういう風に見られる隙を作る”ということ、そしてそのことに無自覚であることは好ましくない問題だと思う。辞退ということそのものに対してではなく、球団の態度が不誠実に見られていることが、各種批判の要点であるように思うのだ。



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