月の輪通信 日々の想い
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2005年04月06日(水) 一年生になったら

暖かい一日。
アプコ入学式。
今年はちょうど桜の開花にタイミングが合って、誠に入学式日和。
この間、卒業したばかりのアユコも、今日は保護者として一緒に入学式に出たいという。アプコの「小さい母さん」であるアユコとしては、甘えん坊の妹の門出の日が気になって仕方がないのだ。
ついこの間、「さよなら、またね」と巣立った校舎や大好きな先生方が、新しい一年生を迎えて、新たなスタートを切るのを見届けておきたい気持ちもあるのかもしれない。
おなじみの先生に「もう一回小学生やるか?」とからかわれたりしながら、楽しげに写真係を務めてくれた。

先日の卒業式では、大きく成長した6年生がしっかり前を向いて座っていた席に、今日は小さな一年生が先生方に誘導されて、ぴょこぴょこと並んで座る。
どの子もまだまだ小さくて、パイプいすに座ると足が床に着かなくて、大半の子が足をプラプラさせて座っているのがなんともかわいらしい。この小さな子ども達が、また6年間であんなふうに大きくなるのだなと思うと感慨無量。

入学式の校長先生のお話、面白かった。
「校長先生には、もう一つ別のお仕事があります。」
と先生が急に演壇の後ろに隠れてしまわれた。何かごそごそしていらっしゃたかと思うと、式服のかわりにいつも見慣れた赤いジャージの上下に金槌やペンチなどの工具がいっぱいぶら下がった腰ベルトを締めながら再登場。
「先生は地球防衛軍の指令を受けて、君たちが安全に過ごせるように壊れた所を直したり、悪い人が来ないように見張ったりしているのだよ」とお話になった。
意外なパフォーマンスは一年生達には大うけで、かわいらしい笑い声が聞こえた。
学校の危機管理がやかましく言われるようになって、保護者向けにも子ども達の安全をアピールしておかなければならない事情もあってのパフォーマンスだという事が分かってはいるけれど、それでもなんだか好印象だった。
後でアプコと話していたら、「あの、赤い服の人・・・」というばかりでなかなか「校長先生」という言葉が出てこない。よほど赤いジャージの印象が強かったのだろう。
それもいい。

きょう一日、あちこちで「今度は妹さんが一年生ですね。」といわれて、そのたびに「『振り出しに戻る』みたいですね。」と笑って返した。
今日のアプコは、6年前のアユコと同じはにかみ屋の甘えん坊。
「おめでとう」といわれても「お名前は?」と聞かれても、きゅんと凹んで後ろに隠れてしまう。あの日のアユコと同じだ。
アユコのときなら、「ちゃんとお返事してね。」「一年生なんだから、名前くらい大きい声で言おうよ」としつこく促していた所だけれど、今日は笑って好きにさせる。こういう余裕が生まれるのは、少々恥ずかしがりやでも6年間でちゃんと活発な女の子に成長したお手本がそこに居るからだ。
長年の子育てのキャリアも捨てたモンじゃないと思う。
こないだまでのアユコの担任の先生にお会いして、そんな話をしていたら「よしよし、いつでも泣きべそかきにおいで。」とふくよかなおなかをぽんぽんと叩いて笑ってくださった。
はにかみ屋のアプコに、母と似た体型の泣きべそポイントが確保できて、母は嬉しい。


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