月の輪通信 日々の想い
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2004年06月25日(金) 叱られにいって得をする

先日、ゲンの「問題行動」で呼び出しを食ったときの事。
約束より少し早い時間に職員室についた私。
最近顔なじみになった職員のYさんが、
「お待ちになるんなら、こちらでどうぞ。」とソファーのところに案内してくださった。
「暑かったでしょ。役員さんは大変ですね。」
普段委員会の用事で大荷物を引きずって、「PTA室の鍵、くださーい」と職員室を出入りしている姿を見ておられるのだろう。
「う〜ん、今日は委員会の仕事じゃなくて、叱られに来たんですけどね。」
と恐縮している私に、わざわざ冷たいアイスコーヒーまでいれてくださる。

蒸し暑いながらも、時折涼しい風がはらりと舞い込む窓辺には、たくさんの鉢植え。
同じ種類のシャコバサボテンの鉢がずらりと並んでいたりするところを見ると、どなたかが切り戻した枝を挿し芽したり、株分けしたりしながら、こつこつと殖やして育ててこられたものだろう。
「ここのお花はどなたが育てておられるの?」
「お好きな先生方がおられるんですよ、前の校長先生が買ってきてくださったものもありますよ。」
いつもは素通りして気にもしなかった職員室の窓辺の鉢植えに、何人もの先生方のの何気ない手入れやら心遣いが育っているのだなぁと、なんだか嬉しい。

「あ、ストレプトカーパスがありますね。」
ちょうど咲き始めたばかりの青紫の花がゆらゆらとゆれている。
以前我が家にもたくさんあって、挿し芽で殖やしては誰かにお分けしていたこともあるのだけれど、いつのまにか絶えてしまって、入手できなくなっていた花だ。
「あのう、お茶までご馳走して頂いて、あつかましいんですけど、もし差し支えなかったら、挿し芽用に小さい枝を少し分けてもらえないかしら。
前から探してたんだけど、なかなか見つからなくって・・・」
思いきってお願いしてみると、
「ああ、その花はストレプトカーパスって言うんですか。
いいですよ、どうぞどうぞ。」
Yさん自身は挿し芽で殖やす方法はご存知じゃないようだったので、簡単にレクチャーして小さな枝を分けていただく。
小さな枝からでも、今の時期ならほぼ確実に株を育てる事ができる筈なので、嬉しいうれしい。
「わぁ、叱られに来て、得しちゃった!」
持ちかえり用のナイロン袋まで頂いて、ほくほくとかばんに収める。

その後のK先生との面談は、どちらかと言うと不愉快な不本意なものだったけれど、その前にちょっと得しちゃったので良しとする。
翌日、別の用事で職員室に行ったら、
「あ、来はった、来はった」
と私の名を呼んでくださる先生がいる。
「この花、お好きなんでしょ!
挿し芽もいいけど、うちで殖やした小さい株があるからよかったら持って帰って!」
と小さな素焼きの鉢植えを見せてくださる。
わざわざ、私のために持ってきてくださったのかしらん。
「え?!いいんですか?
わぁ、嬉しいわ。ありがとうございます!」
なんだかとってもとっても嬉しくなってきた。

PTA役員になって、思いがけなく得をした副産物。
excelの基礎知識。若いお母さん友達。
子どもたちの学校での様々な情報。
そしてストレプトカーパスの鉢植え。
まだまだ、増えるはず。
ありがたい。

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