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2004年11月18日(木) ショッキングなヘパの最期

萌えてばかりはいられません。昨日のプレミアを経て、たくさん
のレビューが上がってきていますが、アレクサンダーに関する
意見は真っ二つに分かれています。半分は、「今まで見たオリバー・
ストーンの映画で一番くだらない映画」、「人生の3時間を無駄に
費やしたいなら、映画を見るべき」と酷評し、半分は「今年一番の
映画だ。オスカーも遠くない」「こんな胸打たれる映画はない」などと評しています。
私がひとつだけ確信していることは、この映画は映画史に残るような
傑作ではないだろう、ということです。ここまでボロクソに言う人が
大勢いて、かつ「大王ファンだけど、せいぜいトロイ級だね」と言う
人もいるということは、goodではあってもgreatではない、と言えるでしょう。

ただし、少し気になるのは、戦闘シーンすら意見が割れていることです。
「素晴らしい戦闘シーン」と言う人もいれば、「見たことも無いほど
ひどい戦闘シーン」と言う人も。
憶測を立てるなら、これには主に二つの理由がありそうです。まず、
象との戦いのシーンは見ごたえがあり、とてもいいということで
同意を見ているもようです。ですが、最初の(グラニコス?)
の戦闘シーンは砂漠で撮影されていて、すごい砂嵐の中での戦いらしく
何が起こってるのかよくわからないらしいです(見る人によっては)。
これがリアリティを追求した結果なのか、単なる撮影ミスなのかは、
オリバーのみぞ知る。
もうひとつの理由は、後半の(あえてどこでとは言いませんが、それなりに
納得のいく)戦闘シーンで、画面がナチュラル・ボーン・キラーズ
よろしく画面が赤っぽくなるらしいです。これがとてもばからしく見える、
という意見がけっこう聞こえます。

戦闘シーンを離れると、大きく批判を受けているのはアクセント問題です。
もうひとつは音楽なのですが、私は聴きすぎて耳がばかになってるので、
この意見の吟味は保留に。

面白い意見として、こういうものもありました。アレクサンダーの
ことなんてちっとも知らないし興味もないが、大王の愛人の男とは、最後には
キスをしたりファックをしたりしてくれると思って期待していたのに、
最後まで見つめ合いで終わったことには、ひどくがっかりした、というの
です。つまり、二人の愛が最初から最後まで、観客の眼には「平行線を
辿っていた」結末に、肩透かしを喰らい、逆にテーマが見えなくなったと
いうことでしょう。確かに、大王とヘパイスティオンの関係、大王史に
おいて、ヘパがなぜ、いかに重要か(つまり彼の死が大王の寿命を縮めた
という事実)を事前に知らなければ、一体何がどうだったのかと思う
かもしれません。

ネガティブにこき下ろしている意見がすべて、知識がないからとか、
「知的ではないせい」と簡単に片付けることは出来ません。確かに、こうした
ことが、いかにこの映画にとって不利になっているかは、色々なレビューを
見ていてわかりました。たとえば、こんな意見がありました。
大王が戦いの前に兵士たちを鼓舞するためスピーチをしていると、
鷲が頭上で旋回し一声鳴きます。すると、大王はいったんスピーチを
中断してそれを見上げ、それから「ゼウスは我らと共にある!」と
叫びます。このレビュアーは、「あの鷲のくだりはなんだ? スピーチを
中断する一間も、鷲もくだらない」と書いていましたが、これは明らかに
鷲が古代ギリシアにおいてゼウスの化身だ、ということを知らないための
反応です。一方私はこのシーンを見て感動しました。

しかしレビュアーがつけたほかの映画へのレビューを読んだり、
文章の中で述べられていることを吟味したりすると、彼らの中にも
理性的に解釈できる映画を見る眼が肥えた人が大勢いることもわかって
きました。それを聞くと、やはりこの映画には欠点が多いように思えます。

たとえば、時間軸です。「10年前」「20年後」と過去や未来を
行ったり来たりするらしいのです。これは確かにきびしい!
しかも会話ばかりで劇が続くものだから、3時間はファンでも長いと
感じるそうです(もちろん、スラッシャーは例外です)。

しかし、実はこうしたことよりも、いたくショッキングな話を聞き、
朝から動揺しています。
このショッキングな話の内容は、いろいろと考えてみたのですが、
今後の皆さんの観賞の明らかな支障になると判断したので、詳細は
書きません。
大筋を書くと、ヘパイスティオンが死ぬシーンで、なんと笑いが
起きたというのです。それはオリバー・ストーンが演出したヘパイスティオン
の死際、それに対する大王の反応が引き起こしたものなのですが、
聞いたときは本当にショックだった。何がショックかというと、
映画のヘパイスティオンの死際は、話を聞いた限り恐ろしく残酷で、
恐ろしく感動的で、恐ろしく哀しいのです。私はこの演出を聞き、
この話とマッチすると思われる、既出の大王が気狂いになるシーンを
繋ぎ合わせ、胸をズドンとやられたような気分になりました。
すでに見たアレヘパファンによると、このシーンは
映像としては物凄く美しいし、ジャレッドも、コリンも、迫真の演技
とのこと。
話を聞くと、笑う人がいた(一部では大勢だったとも)というのは
残念ながら予測できる事態です。しかしながら、フォーラムにも
「ヨーロッパ人は誰もこのシーンで笑わないだろう」と書き込みが
ありましたが、私の予想では、日本人なら誰もこのシーンで笑ったりはしない
でしょう。余談ですが、別の書き込みで「そういう人たちはいるんだ。
私は、旅の仲間のボロミアが死ぬシーンを見て、隣の若い女の子たちが
笑っていたのを、決して忘れられない」ともありました。実は私も
RotKであった、こういうことが。
「他人の反応に影響されないことだ」と言う意見が書き込まれており、
賛成ですが、ハワイで一発目見て、ヘパが死ぬシーンでまわりに
笑われたらどうしよう。どんなに侮辱されたと感じるだろう……。

しかしショックなことはまだありました。実際これが一番ショックだった。
なんと、プレミアでヘパイスティオンが死ぬシーンを見て、観客から
笑いが起きた時、ジャレッドが遅れて会場に入ってきて、笑い声を聞いたと
いうのです。
もしこれが本当なら、彼はどんなふうに感じただろう。胸が痛いです。
コリンや他の役者と違い、キャリアを確立したとはいえないジャレッドは、
この映画に色々な望みを託してたかもしれない。しかももしおばあちゃんが
見てたら、と思うと居た堪れなくて苦しいです。
開場前笑顔が少なかったのはナーバスになってたからじゃないといいけど。

また、実際かどうかわかりませんが、こんな嫌な話も。
ある大学で試写会がおこなわれた時、あんまり長すぎて、ヘパイスティオン
が死ぬシーンで「カット(しろ)!」という声が飛んだとも。
彼らはもちろん、アレクサンダーとヘパイスティオンの愛に心を
動かされなかった人たちです。ネガティブなレビューでも、二人の愛を
こき下ろしたりするのを見ることはまずありません。
ですが、アレクサンダーは、どれほど深くヘパイスティオンを
愛しているか、どれほど彼と一緒にいたいと思っているか
を繰り返し繰り返し繰り返し見せつけ、
見ていてうんざりする、という
意見はけっこう見かけます(笑)。おおいにけっこう!


二人に関する愛のやりとりは、正直こんなに期待していなかったので、
自分の中で処理しきれずいっぱいいっぱいです……。
たとえば、映像でも見ましたがこれ。

母オリュンピアスからの手紙を読む大王の、肩を揉むヘパ。
それは少なくとも騎兵隊長がやることではない!
お ま え ら さ て は 夫 婦 だ な 。 

前に、ロクサネが夫であるアレクサンダーが、自分よりもヘパイスティオン
を愛していると気づくシーンがある、と書きましたが、噂では(噂ですが)
どうもヘパが猿を可愛がってる時のようです(んな漠然としたことを
言われても)。

ヘパ、アレ、そして気のなさそうなロクサネ。
ネタバレはしたくないので読んでいません。
本当はヘパの死に際も読む気がなかったんですが、
間違って読んでしまいました……。

あと、はっきりとはわかりませんが、二人とも服を着たままで
ベッドに寝転がってるシーンがあるらしいんですが、これは私が前に
日記で「こんなシーンがあるといいな♪」と書いたそのまんまではないか!
イッソスでダレイオスのベッドに寝転がり、天蓋を見上げ、
「これが、王というものなんだな、ヘパイスティオン」と言う大王。
映画とぴったり当たってたら拍手してくれ!

最も決定的なシーンがもうひとつあります。ロクサネとの結婚式
の前夜の出来事です。映画の始まり方と対比させて考えると
「オリバー、見事だ!」と言うしかありません。これは、多分映画そのもの
の一番大きなネタバレになるので、伏せておきます。ただし、
二人がおこなうことはセックスではありません(笑)。

話は打って変わって、映画においては父フィリッポスにも男の愛人が
登場するようです。これはパウサニアスを指してると思いますが、
見たところ、クレイトスも愛人扱いなのかも。

クレイトスとフィリッポス。ゲイリーのクレイトス、かっこよすぎ。
そして気づく……フィリッポス/クレイトスは、かなり萌えかもしれない
ことに……。

でもってこれを見ると……自分を抱く男の息子(アレクサンダー)を
可愛がる年上のアニキ、クレイトス(ハァハァ)。
うぎゃっフィリクレ(笑)、たぶん書きそう……。

たぶん同人界ではアレクサンダーは受になると思いますが、
大王自体は受けっぽいんだけど、ヘパとのやりとりを見ると
攻に見えるんだよなあ。難しい人だ。私はヘパ受寄りのリバで、
他の部下とはあれ受だったりするのかな。
最近個人的にブームなのは、メムノン攻アレクサンダー受です。

HBOの映像については、また。

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)




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