これから4回に渡って手記に基づき萌の旅日記。 はじめはメインでもあるドイツです。 成田から一路フランクフルトへ。初日はライン河 くだりからはじまりました。 ライン河沿いの深い谷から所々顔を出す古城を バスから見学する行程でしたが、今回の旅は正直何も 期待していなかった割に指輪ブームのおかげで満喫満喫。 とくにハイデルベルクとローテンブルクという中世の 家並みや城壁まで残っている古都はもう大感動。 小さな町ローテンブルクは一年くらい暮らして もいいなという所で、私が一泊した中世のinn そのままの宿は「アイゼンフート(鉄の兜)」といって、 指輪のサルマンの砦アイゼンガルドをおのずと彷彿と させるじゃありませんか! ドイツ語でSt(セント) はザンクトと読むなど、響き的にトールキンの 指輪の世界の一部の地名はドイツ語に由来するようです。 城壁の上にずっと続く歩哨用の通路を通りながら指輪の サントラのトラック17聴いてしこたま感極まってました。 ハイデルベルクで面白かったのは学生牢のくだりです。 世界に名高い学生都市として国際色も豊かですが、 ハイデルベルク大学は現在までノーベル賞受賞者を8名 輩出している名門大学。18世紀までたいていの大学に は自治権があり、大学の自治組織に治外法権が与えられて いました。地元警察までも立入りが禁じられていたので 学生が罪を犯しても逮捕、連行されることはありま せんでしたが、ハイデルベルクにはそのかわり構内に 有名な「学生牢」と呼ばれるものがあり、かつてここに 学生が収監されていたとのこと。最高収容期間は 4週間だったとか。肝心なのは、ここでいう 犯罪者とは政治思想的逸脱者を指す場合が多く、優秀な ハイデルベルク大学の学生牢の歴史において、殺人、暴行 などの不名誉な罪で投獄された生徒はひとりもいなかった そうです。そんな理由で在学中に学生牢に入ること自体 が一種の名誉とされ、できるだけ長く滞在することを 望んだ学生の、滞在日数記録をはじめとする落書きが、 牢の壁、天井一面にびっしり書き込まれており、一部の 柱には、当時発明されて間もない写真機で撮影した 自分の写真を、穀物をすり潰した糊状のもので 貼り付けて残していった学生も大勢おり、今もそれは残って います。萌どころのひとつは、ここに女子生徒が収監され たことは一度もなかったということ。女子も運動を起す ような時代になった頃、学生牢は廃止されました。秘密の 花園を女人禁制のまま終わらせたかったのですね(違)。 この街はゲーテが最も愛した街でもあり、彼が座って 模写したというポイントもあるハイデルベルク城も フランス軍の侵略による荒廃に「もののあわれ」を感じ させる素敵なところでした。ここでもう一つ萌えを。 ハイデルベルク城陥落、一族滅亡の原因は、フランス王 ルイ14世の実弟オルレアン公がホモだったからということ です。今のハイデルベルク(プファルツ領)一帯を治めて いたジンメルン家は、家族においてひとり健康だった娘 をオルレアン公の妻としてベルサイユへ送りますが、国王 の実弟として一度目の結婚は渋々承諾したものの、その妃 が早くに亡くなってからは男遊びに明け暮れていたオル レアン公は、後妻との間に子を設けようとはしなかった のです。実はこの先妻も謎の死を遂げており、公による 暗殺説が有力なようです。そんなわけでジンメルン家は 断絶し、オルレアン公の妃がジンメルンの娘だという 理由で領地を要求したフランス軍に、やがて陥落させ られたということです。 このへんまでくると、指輪的な世界からはかなり後世 になってしまいますね。 他にも、ドイツの古城巡りは素敵な話がいっぱいでした。 有名な逸話「貞淑なる妻たち」の古城を遠目からですが 見ることができました。この妻たちは宗教を巡る30年 戦争で負け投獄された男たちの妻たちのことで、征服者の 王が女たちを憐れみ「背負えるだけの大事な品を背負って 出てゆけば咎めはしない」と言ったところ、この妻たちは 地下牢へ行き、傷だらけの夫たちを各々背負って街を去って いったという美しい昔話です。 ドイツの最終日にはかの有名な(ホモ)王ルートヴィッヒ 二世の夢と狂気の城ノイシュヴァンシュタインを見学。 トールキンも来たかもしれません。というのもルート ヴィッヒ�兇�異常なまでに執着したワグナー、ここは そのワグナーのオペラ「ニーベルンゲンの指輪」の荘重 な壁画が飾られている城であり、ニーベルンゲンの指輪は 指輪物語にかなり影響を与えているのですよね。 外観も内部装飾もあんまり素晴らしいので、城内の 土産店でCD-ROMを買ってしまいました(笑)。王の寝室 も荘厳で、「ああ、このベッドでせいぜい男とやりまくって いたのだろうな」などと浮かれていたのですが、一部の 資料では「実際行動に移すことはなかった」とあり、 ええ〜ッそんなあ。夢見さしてください、キャプテン。 ここからスイスへと向かったのですが、いやードイツ。 とってもいいトコロ。都会を見ずに擦り抜けたからという のも多分にありそうですが。この古城巡りでは大いに 中世、ファンタジー気運高めさせていただきました! 次の国はスイスです。
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