| 2014年10月10日(金) |
LC外伝アスプロス編最終話感想 |
休載は寂しいけれどある意味延命させてもらった気分ロストキャンバス外伝アスプロス編最終話「覚悟」感想。
ごめん、兄さん舐めてた。 ほら、前回アスプロスがクリスちゃんの意志を無視してウルスラさんを殺そうとしてたじゃないですか。 クリスちゃんの気持ちをちゃんと分かってて、あくまでウルスラさんのクリスちゃんへの気持ちを改めさせるための荒療治である可能性も考えはしたけど、ぶっちゃけアスプー兄さんの場合、本当の本気でクリスちゃんの意志は無視してウルスラさんを殺っちまおうとしてる可能性のが大きいんじゃないかと思えて、クリスちゃんを不幸にしたら許さんぞアスプーとハラハラしてたんです。 が。 なんと、ちゃんと先を見越して行動してたようだ! ビックリだ!(笑) いや、私は本当にアスプロスについての認識をアスプに対して謝った方がいいんだと思います。ごめんね! カルディアだったらそういう荒療治をする方向へさっと頭の切り替えできるだろうけど、兄さんは出来ない人だと思ってた! ごめんね! ここで兄さんには無理だろうという発想が出ちゃうのは、本編の兄さんが上ばかり見て足をすくわれてる結果に終わってる人だからだと思います……。カルディアは本人に未来がない分、目先のことについてもきっちり行動できるけど、アスプはその点が弱そうなイメージが強くて(笑)。 ごめん、兄さん本当にごめん。 でも、この4話目を見ると、確かにちゃんとクリスちゃんがどう出るか分かっててやってるというのは、4ページ目のアスプの表情からも明らかなんですよね。やっぱ引きが上手いな、手代木さん。本当に一ヶ月ハラハラさせられましたもん。
そこまでやってもウルスラさん側が簡単に折れることはないと分かってることについては、本編で殺しあうしかないと思い決めてた冥衣兄さんを思い出しました。 これはデフテロス外伝後の話なわけだから、アスプロスも既に自分の望みのために弟を死なせようとした経験を経てるんですよね。ウルスラさんが「分かってる」というなら、アスプロスもその点はきちんと「分かってる」んだよな……。彼からすると、弟の方が最初に自分の望みのために兄を殺そうとしたと思ってるのかもしれないけど。 ここでエアハートが横槍入れてこなかったら、三人のやりとり……というかウルスラさんの結論はどう転んだのだろうと気になりもしますが、ここまでくると仮定の話はしてもしょうがないので、ひとまずエアハートGJとだけ言っときます。ケートスのオブジェ形態が見れて嬉しかったけど、これで分解装着図省略されたら寂しいな……。 ただ、まあ、アレね。クリスちゃんが冥衣を奪われて死にかけてもウルスラさんはちっとも堪えていなかったように、この時点ではウルスラさんはクリスちゃんの生死自体はわりとどうでもいいことだったんだろうなと思った。何か考え方が変わったとしたら、自分は魔星にはなりえないと分かってからなんだろうな。 で、冥衣を代々封印してきたという設定から、ウォールデン家で冥衣を受け継いだ中から魔星が選ばれる形になるのかと思ってたのですが、クリスちゃんが死のうがウルスラさんが魔星になれるわけでもないと判明した以上、場合によってはウォールデン家の冥衣を全然別のところで発生した魔星がまとう可能性もあったのかしらと思えました。 ラダマンティスとバレンタインとクリスちゃんと3人もウォールデン周りから魔星が生じたのは偶然でしかなかったのかなあ……。ウォールデンの設定を知った時は、偶然じゃなく必然の結果だったのかと思ったものですが。
クリムゾンビロウの二つの技が合わさっているという設定から、思いっきりΩのミケーネさんを思い出しました。つっても、ミケーネさんの場合は自分の攻撃を二つ重ねて一つの技にしている感じで、エアハートの場合はケートスの力を利用して二つの技を合わせる感じでしたが。「ビロウ」は「billow」で「大波」の意味か。
クリムゾンビロウを受けてからのアスプロスの回想?は、完全なイメージ映像なのか途中まででも実際にあった出来事なのか、どっちなんかな。最後のコマは、杳馬のシルエットと彼の与えた闇の一滴のイメージかな。波紋の広がる絵面からして。 ちょうど聖衣を授かった時の話のように見えるけど、シジフォス外伝での様子を見ると、聖衣を授かる前から黄金聖闘士の更に上を目指していたようだし、本編で描かれた幼少時のデフテロスとのやりとりにしてもあの時点で既に教皇を目指してる風でもあったし、聖闘士になって初めて教皇を目指すことを決めたわけでもないと思ってたんですが……。 今回のも、結局最後の方でデフテロスに取って代わられる悪夢にすりかわってるから、実際にデフテロスにこういった教皇を目指す宣言をした過去があったかどうかよく分からないんですよね。 ただ、アスプロスの考え方は、「世界の仕組みが間違ってる」というのも「才能があり心の強い者に道が拓かれるべき」というのも、彼の中に少年期から根強く在ったものなんだろうと思えました。真っ直ぐで潔癖な理想家。けど、アスプロスの理想としていた世界は、「才能がないもの」「才能はあっても心弱い者」の存在は居づらい感じ。まして、クリスちゃんのように才能がなくて心も弱い人の考え方は捉えにくく、平素のようにあたっちゃっては「普通の女の子だったごっめーん」てなったわけな……。いや、最終的にはクリスちゃん、才能がある上に心も強い子だったけど。 それにしても、サガにしてもアスプロスにしても、教皇の立場をめっちゃ過大評価しちゃいないかい……? GやLC見てると、確かに有力者や権力との繋がりが強いようだけど、それで実際にどれだけ世間の考え方から変えられるものか……。サガの方はまだ自分がアテナに代わって世界を神などの手から守る(&そんな自分を認めてもらう)ために教皇になりたがってたわけだから分かるけど、アスプの方は教皇になったら世界を変えれるくらいの認識っぽいからどうなんだろう。教皇もあくまでステップの一段階で、最終的に世界の支配者を目指してんの? それで死んじゃった後は神様目指してたの……? マルス様くらい思い切った改革をしようとしてると「教皇」のポジションの大きさを感じるけど、そうでないとただの中間管理職にしか思えねえッス……。
エアハートに攻撃される時、咄嗟にクリスちゃんを背後に押しやってる兄さんかっこいいですね。ウルスラさんは足元に置いたままかよと思ったけど、これ一応防御壁的なものでクリスちゃんもウルスラさんも守ってるのかな……? クリスちゃんがウォールデン家のお家事情にアスプロスを巻き込んでいることをすまながってる場面で、きっぱり「俺のため」と言ってのける兄さんもかっこいいです。本編220話の「己のため」ってまじで自分のためだったのね……。でも、クリスちゃんもアスプロスのこの発言があってこそ、最後の最後に「自分のため」にエアハートから冥衣を奪い返したのだから、なんだかんだとあの「己のため」は「それぞれが自分自身のために」という意味がこもってないわけじゃないんじゃないかと思いたいけどやっぱり怪しいな。 魔星二人分(正確には一人と冥衣一つ分)の力に、ダメージ大のアスプロスがさすがに押し負けるかもしれないとなった場面で、クリスちゃんが冥衣を取り返す場面は盛り上がりが半端じゃないし、クリスちゃんがかっこよすぎるしで、今回のベストシーンを一つ挙げろといわれたら多分ここを挙げます、私。ああ、でも、「この程度乗り切れんで次に進めるか」の場面も好きだし、やっぱり「俺のためだ」の台詞もひゃっほーと思うし、「ナメるな」のとこも好きだし、クリスちゃんの当主宣言も好きだし。 デフテロスの外伝が苦い終わり方をしたこと思うと、外伝だけでも良い終わり方してくれて本当良かったです、アスプロス外伝。
クリスちゃんが魔星として目覚めた時点で冥闘士になることは防げないし、なんだかんだと詰んでるのかと思ってたけど、「冥闘士になる、でもハーデスには従わない」という流れが来るとは。 これこそ、本当に、アスプロスがかつて言っていた(かもしれない)「才能がある心の強いものに道が拓かれる」ということなんだと思った。魔星としてハーデスの元へ向かうのではなく、冥衣を手放すのでもない、三つ目の道。戦いたくないけれど冥衣を捨ててもいけないと思っていた、その両方の願いを叶えて、自分自身の望みを見つけたクリスちゃんの成長率は、外伝ゲストキャラ中いちばんだと思いました。 ペフコちゃんは元より一人で聖域に支援を申し出に来れるくらいたくましい子だったし、カルディア外伝はカルベラさんよりサーシャの成長を描く話で、そのサーシャは成長率半端じゃなかったけどゲストキャラとは言いがたい。デジェル外伝は、まあアレだし……フローライトはそもそもペフコちゃん同様、一人で乗り込めるくらいには度胸のある子だった。ジョーカはわりと成長率大きめかな。ラカーユは、やっぱデジェル外伝同様アレだし……あの二作は冒頭の語り部キャラがよすぎた分、出番がなくなってくの寂しすぎたからな……。童虎外伝の依林ちゃんはゲストキャラといっても物語の進行と深く関わるわけじゃないから、やっぱり特に成長云々とは関係なく。レグルス外伝は「レグルスとコナーちゃんが互いに高めあっててひゃっほー! ボーイ・ミーツ・ガール素晴らしい!」と思って読んでて、コナーちゃんの成長率も大したものだと思うんですが、クリスちゃんの場合座標軸マイナスからのスタートって感じなのでそれに比べると微妙に劣る。アルデバラン外伝は幼女セリンサと成人セリンサと比べると面倒見てもらう立場から見る立場に成長したわ〜立派になったわ 〜と思うけど、やっぱ座標軸マイナスがスタートじゃないからな……。ハスガード様に食ってかかる場面のたくましさときたら。で、シジフォス外伝はシジフォス本人の成長物語だし、デフテロス外伝はそういった外部のゲストキャラがいない作りこそ最大の特徴なのでとりあえずおいといて。 ……外伝ゲストキャラっていうか、外伝オリジナル少年少女の成長率の話だな、これ。
まあ、ともかく、「誰にも負けません」の「誰にも」にはもちろんウルスラさんも含んでるわけで、ウルスラさんの屈辱感はいかほどのものか。あの人、めっちゃプライド高そう。でも、この場面でもしウルスラさんがクリスちゃんの立場だったら、クリスちゃんのように「誰にも負けない」と言い切る心の強さがないことも自覚してそう。もう、完全に敗北状態。 ウルスラさんは無駄な殺生しまくってるし、地元に帰ればやらかしまくった人間として認識されてるだろうから、この先どうやって生きてくんだろう……というのは結局分からないままなんだよなあ。すんなり改心したら嘘くさいから、態度保留で終わったこと自体は納得なんだけど。何もかもを手に入れようとして、何もかも失った状態。クリスちゃんはそれでも味方でいてくれるだろうけど、そのクリスちゃんもパルティータさんに対する冥王軍の粘着っぷりから考えるともう一所に留まれないかもしれないわけで、二人で聖戦が終わるまで放浪して生きてくんだろうか。で、「それもこれもあんたのせいよ!」と愚痴るウルスラさんをクリスちゃんがさらっと流して同行してるんだったら、わりと平和な流れな気がする。NDみたいな冥闘士勧誘制だったら、ここまで来てもまだ、ケートスの冥衣を材料に冥王軍と取り引きしてたかもしれんけどな、ウルスラさん……。
本編最終回後で封印されずに残ってた魔星、この流れだと一つはチェシャでもう一つがクリスちゃん……ということになるんだろうか。 冥衣が無事なまま&装着者が聖戦後も存命という条件で見れば、この二人くらいしかもう。 ってことは、トクサはあかんかったか……(´・ω・`)。知らないうちに死んでたのかな。
次期教皇=シジフォスの噂は侍女伝いに流したのかと思ってたけど、一般兵経由だったようで。あと、この時点でアスミタにはアスプロスをはめる流れは相談済っぽい? 外伝読んでると、アスプロスが追い込まれてく過程が本編より明らかなだけに、読んでて結構きついものがあります。 そもそも最初に凶星の神託がなければ。杳馬に会わなければ。デルフォイの神託で未来を見なければ。そして、今回の教皇の策がなければ。 ひょっとしたらですっごい真っ当な教皇になってたかもしれないってのがなあ……。 「死の先すらも」恐れずに考えようとしている兄さん見てると、死ぬ間際の幻朧魔皇拳も咄嗟の判断じゃなくてある程度想定内の行動だったのかなって気もしてくる。自分が冥闘士になってる未来までは見ちゃってるんだもんな、あの人。でも、そんな風にやる前から負けること見越してるような兄さんだったら、微妙に嫌や……。 あと、「恐れるな、考えろ!」の台詞にあわせてデフテロスが描かれてるのは、この時点でデフテロスはやっぱり恐れて考えることから逃げてるという意味合いかと思えました。あるいは、恐れずに考えなくてはと思いながらも、進めていない状態。クリスちゃんはウルスラさんを失う前に逃げることを止めたけど、デフテロスはアスプロスを失って初めて今のクリスちゃんと同じ位置に立てたのかな、と。
そう言えば、デフテロス、ちゃんと出番あって良かったね……! デフの外伝は面白いくらいアスプロスに食われてたけど、アスプの方ではこれまで出番皆無だったので、このまま一切出番なく終わるのかと思ってました。 あ、あと、デフテロスが魚焼いてるの可愛い。デフテロスの食料調達の謎の一端に触れた気分ね! 2匹焼いてるけど、一人で食べるのかアスプロスと食べるのか知りたいわー。いや、この描写自体はアスプの夢にしても、こういう光景自体はあったと思うのよ。一人で火を焚いて飯食ってるデフとそこにやってくるアスプーってのは普通にありだと思うのよ……!
次号の休載寂しいけど、李香蘭のようにまた他誌で何か仕事あるのかな。ブログでLC以外でお知らせできることが……と書かれてたので、ちょっと楽しみにしてるんですが。でもLC休載やっぱ寂しい。
ところで、まんが冊子の当選者300名は、少なすぎると思います……。全サだったら良かったのに(泣)。
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