てらさき雄介の日記
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2018年10月25日(木) 素晴らしいのは人間そのものだ

友人たちは昨晩帰国した。今日から一人だ。昼の便でバンコクに移動する。プノンペンの空港まではトゥクトゥクに乗った。餞別変わりに15ドルまでは出そうと決めていたが、言い値は10ドルだった。しかも申し訳無さそうに小さい声で言う。かわいい客引きだ。

映画『キリングフィールド』の衝撃は忘れられない。確かレンタルビデオだった。父と一緒に観たのを覚えている。この現代に、こんなことが果たしてあるのかと驚いた。政治や国家権力という存在に恐怖を覚えた。ろくなものではない。実は今もそう思っている。

一方で、素晴らしいのは人間そのものだ。今回のプノンペンは、相模原の友人がアテンドしてくれた。彼の母親はカンボジア難民として日本へ来た。そして相模原の団地で暮らすことになった。日本人と結婚して、彼が生まれた。今はカンボジア人の技能実習生に関連する仕事をしている。

3日前、プノンペンに到着した夜に、そのまた友人を紹介してもらった。親は同じく難民、同じ境遇、相模原でハーフとして生まれ育った。今はカンボジアと、彼の夫人の母国である韓国に住まいを持つ。日本の実家と、3か国をまたにかけて仕事をしている。

顔を見て、あれっと思った。知人に似ている・・・。言うと、「ああ、それは弟ですよ」とのこと。その知人は相模原で同じ会に所属している。親がカンボジア人とは聞いていた。世間は狭いとはこのことだ。

国境が低くなることで、彼らはカンボジアと日本の間で、見事に仕事を成り立たせている。その生まれと育ちを活かして。国境がないと国は成立しない。国を成立させるために国境がつくられる。では果たして、人間にとって国とは何であるのか。役に立つのか。

●今日一日

終日お休み


安全運転のトゥクトゥクでした


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