DIARY
DiaryINDEXpastwill


2006年09月03日(日) 30万

 
 少年の事件が多発しております。

 もうきっと、この年頃の子達は「何か嫌な事があったら人を殺してもいいんだ」と平気で思ってしまうのかもしれません。
 それでも私もまだ20代後半。
 さほど思春期の頃の気持ちは忘れてはいないし、私だってあの頃は何もかも嫌な事だらけで、人を殺したいと思う事もあった。

 それでも「少年の犯す殺人事件」というのはどこか遠い街で起きている事という意識だった。
 この街でそんな事をする人なんているはずがないと漠然と思っていた。

 殺人を犯した少年の親を私は知っている。
 もう6、7年の付き合いだ。
 どこにでもいる主婦だし、決して子供をないがしろにする親ではなく、逆に溺愛しているというわけでもなく。いたって普通の「親」であった。
 ここ数年で色々あったが、それでも変わる事なく私には接してくれていた。

 罪を犯す少年は、きっと親や育った環境が悪かったのだろうと思っていたが、いざ、目の前で知っている人がそうなると、理解に苦しむ。
 育った環境は悪くない。
 確かに平穏な家族ではなかったが、それでも今は少なからず「平穏に見えた」。
 彼が殺人を犯す理由などどこにもない。
 一瞬で全てが変わってしまった。
 変わってしまってもいいと思えたのかもしれない。その時は。
 ただ、彼がする必要は全くなかった。

 この一瞬で、私の知っている人が全てを失った。
 それでも唯一の少年の味方なのだ。
 私だけではなく、共通の知り合いは何人もいて、皆が心を痛めている。
 これはもう、どんな環境で育っていても起こりうる事件なのだ。

 未来が怖い。
 これからこんな事件が毎日のように起きる時代が来るのかもしれない。
 何の恨みもない人が、私の大切な人の命を奪うかもしれない。
 将来、私が生んだ子供が人を殺してしまう事だってあるかもしれない。
 「絶対、そうならないようにする」事なんてできない。

 人が人の命を絶つ。
 何が哀しくてそんな事をする必要があるのか。
 私にはまだ理解ができない。


ヤンガ