「ありがとう」って、いつも言いそびれてしまうから

2006年02月14日(火)

私が今の職業に就いたのは、今から約4年前。
学生時代からの、憧れの仕事だった。
文字通り狭き門に、奇跡みたいな確立で潜り込み。
人生の嬉しかったことランキングを考えたとしたら、
間違いなくベスト3には入ると思う。


半ば、夢を叶えたように感じていた。



1つ1つが新鮮で、見るもの、触れるもの、すべてが楽しかった。
月の半分、電車で帰れなくても、業界以外の友達が離れていっても、
毎日コンビニのお弁当ばかりでも、休みが1カ月に3回しかなくても。
それでも満足だった。はずだった。

目の前をよこぎる様々なものを、本能のおもむくまま、
ものすごいスピードで追いかけてるうちに、
何を探しているのかが分からなくなってしまっていた。
嬉しいとか、楽しいとか、そんな感情は置き去りで、
仕事に役立つものばかりを探して集めていた。
ふと立ち止まった時、私は自分が何をやりたいのかが、
すっかり分からない人間になっていたのだ。
肝心な何かが、ぽこりと抜け落ちてしまったように。

“好き”のその先にあるものを、考えた事がありますか?
それが限界だったり、失望だったりした時、あなたならどうしますか?
好きな仕事で羨ましい? そんな簡単に言わないで。



深い森に迷い込んでしまったみたいだ。
それでも今、生来怠け者の自分の尻を叩きながら、
立ちあがって歩き出そうとしているのは、
みんな、みんな、ダーリンのおかげだったりする。
最初は彼の言葉さえ、信じられなかった。
頑張れ、と励ましてくれるダーリンに、
「私は頑張ってるよ。いつだって一生懸命やってきたつもりだよ。
なのにまだ頑張れって言うの? それともまだ頑張ってないって言うの!」

そう泣き叫んで困らせたことがある。

ダーリンは、いつも言う。
「蝶ちゃんが会社を辞めても構わない。
だけど、その職業を捨てることだけは許さないよ」
と。
それは、とても窮屈な言葉なのだけど、
だからこそ私は、かつて夢だった場所に留まっていられる。
「最初のころ、俺に何て言ったか覚えてる?
“表現する事を止めたら、私、死んでしまう”って」

とっても恥ずかしくって、ちょっとくすぐったい。
夢を手に入れたばかりの私。


この1年間、ずうっと考えてきたよ。
いっそのこと逃げてしまえばラクになれるって何度も思った。
だけど、捨てられない。
どうしても、捨てられないんだ。
自信も、何をどうすればいいかも未だに分からないけれど、
“好き”ってだけじゃ、やっぱり駄目かなあ。
私を助けてくれた、沢山のモノに恩返しがしたい。
私が助けられたように、誰かを救ってあげたい。
ただ、それだけじゃ、駄目かなあ。

私、もうちょっと頑張ってみる。
ダーリンをガッカリさせないために。
そして何よりも、私自身をもう一度信じてみるために。
頑張ってみる。
うん。今決めた。
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