朝から吐き気に襲われる。
胃の中にあるものを吐き出そうとしても、
吐き出すものも、無い。
昨夜はほとんど何も食べていないのだから。
会社に行こうとすると、胸が苦しくなり、
頭の中に霞がかかる。
不思議だ。
確か2、3日前に気分は回復したはずなのに。
どうしたっていうんだろう?
自分を奮い立たせて、メイクを施す。
服を着て、髪をゆるく巻く。
のろのろと立ち上がり、
マンションを後にしたものの、
電車に乗るのが、とてつもなく怖く、
結局、タクシーを使ってしまった。
後輩から問い掛けられた案件に、
笑顔で答える。
パソコンを立ち上げて、
メールをチェックする。
いつもと変わりない、朝。
なのに突然の、眩暈。
幸い忙しい時期ではないので、
ただじっとして時間をやり過ごす。
何も聴こえないふり。
何も考えないふり。
そうするのが精一杯。
私の様子を心配したダーが、電話をくれた。
救いの手に縋り付くように、
受話器の向こうに居る彼の存在に耳を澄ます。
でも。
聴こえてきたその声は、何処と無く無機質で。
私は落胆し、一人苛立つ。
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