行き場を失った言葉たち

2004年05月25日(火)

朝から私は意地悪だった。

一度ダーを起こす時間に目が覚めたのに、

そのままストンと再び眠りに落ちた。

意識はしていなかったけど、

やっぱり心のどこかで意地悪な気持ちが働いたんだと思う。




←なのだ。




たかが1日と思う人も多いだろうけど、

いつもあるものを、ただひたすら待つ行為は、

決して楽しい時間とは言えない。

来ないと分かってるならまだしも、だ。

期待しながら、待っているのだから。

家の電話にも、出ない。

携帯も、繋がらない。

次第にイライラが募り、

仕舞には不安になってくる。

ユラユラ揺れながら眠る。

そんな日の眠りは、浅い。




だからダーを起こさなかった。

数十分後、電話が鳴って、ダーの声が聴こえてきた。

「怒ってるの?」

「うん」

「怒らないでよ」

「いや」

そんなことしても、意味なんて無いのに。

こんな時はいつも自分の気持ちを持て余す。

数時間後には、きっと、私は、後悔してるはず。

もっと優しくすればよかった、ってね。





仕事中に久々にピンと来る書籍を3冊も見つけた。

数カ月ぶりに、大好きなお客さんと偶然出くわした。

懸案事項だった仕事が片付いた。

ちょっとだけ満たされた気分で残業をこなして、

家に帰ってからハンバーグを焼いて、食べた。

ダーからの電話は、今日も、ない。

伝えたいことがたくさんあるのに、

伝える相手が居ない。

私の中の言葉は、行き場を失ってる。

この言葉たちは、一体何処に消えていくんだろう。

たくさん、たくさん楽しいことを話したかったのに。

きっと私の口から溢れてくるのは、

ダーへの不満ばかり。

楽しさを語る言葉たちは、

醜くカタチを変えて、

彼だけではなく、私までも傷つける。

そんなのは、もう、嫌。

だからお願い、

早く、早く、帰ってきてね。

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