2時起床。
ダーと過ごせるのは、泣いても笑っても、
あと7時間弱。
この部屋で過ごせるのは、
あと5時間弱。
だからと言って特別なことは何も出来なくて、
仕事でパソコンを見ているダーを横目で眺めながら、
邪魔しないように雑誌をめくる。
ピザを食べながら、
「おいしいね」って2人で笑いあう。
今日を静かに締めくくるように、
自分を納得させるように、
「短い時間だったけど、たくさん遊べたね」
と言ってダーは笑顔を見せた。
ドライブもしたし、
色んな話をできたし、
ゲームもしたし、
焼肉も食べたし、
ビデオも借りられたし、
くっついて眠れたし、
たくさんチューもしたし、
おいしいピザも食べたし。
ダーは反芻するように、
ポツリポツリと呟くけれど。
それはどれも、近くに居る恋人たちなら、
当たり前の事ばかりで。
私たちにとってはどれも特別なことばかりだ。
その事実が、ちょっとだけ私を切なくさせる。
「楽しい時間は、どうしてこんなに早く過ぎるんだろう」
私たちの別れの時のお決まりの台詞。
別れの時間が近づいてきて、
私はコンビニへ。
彼は駐車場へと向かう。
買い物を済ませて、ダーが待つ車の中に入ると、
何故だかダーが沈んでいた。
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