diary/column “mayuge の視点
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セルジオな越後

 サッカーの世界に、セルジオ越後というオヤジがいる。僕はこのオヤジがけっこう好きである。

 セルジオというだけあって生まれはブラジル。日系二世だ。ブラジルでのプロ経験もあるらしい。現在は評論家として日本代表戦の解説などをしている。

 このオヤジ、さすがに本場仕込み、指摘するポイントがわかりやすい。僕は「エライ人」を(僭越ながら)評価するときに、話がわかりやすいかどうかを判断基準にしているのだが、セルジオ解説は実に明快だ。

 Jリーグあがりの半分芸能人のような輩だと、やたらと専門用語を振りかざして自分の戦術理解レベルの高さをひけらかそうとする嫌いがあるもの。「俺は選手としては有名じゃなかったけど、お前らよりこんなに知ってんだゾ」といった感じなのだ。

 セルジオさんは違う。いたってシンプルに話す。ブラジルというバックグラウンドのおかげか、四の五のいう必要はない。だから核心だけを突ける。もちろん、今の日本にはまだ理解と普及が必要な段階だということもわかっていて、意識的に素人にもわかるように話している。アタマもいいのだろう。

 また、たやすくまわりと同調しないスタンスもいい。他のマスコミにチヤホヤされている、ややテング気味の選手をつかまえてコツンとやるかと思えば、視聴率や新聞の売上げにつながらないような選手を取り立てて、その地道な努力を称えたりする。

 言うなれば越後さんは、辛口だけど根はやさしい、ちょっとへそ曲がりのご隠居さんといった感じ。僕は、この「セルジオなんだけど越後な感じ」が好きなのだ。町内会に一人はいてほしいタイプなのである。

 ちなみにセルジオさん、日刊スポーツでコラムも書いている。タイトルは「ちゃんとサッカーしなさい」。このセンスもけっこうイケている。

2004年01月04日(日)

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