DOTFAMILYの平和な日々
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2012年07月08日(日) 葬式騒動:その10

参列者に配る式次第は非常に凝ったものを作ることにしていたそうである。これに関しては私は反対するつもりはない。葬儀を妨げるものではないからだ。興味深い式次第を作成して葬儀中に参列者が読みふけるということになっても、それは参列者の問題である。面白くもなんともない普通の式次第でも読みふけるヤツは読みふける。

スライドショーが大好きな次男の嫁は、写真も好きだから、義父の写真を取り入れたすばらしい式次第を作ってあげる、と妹に言ってあったので、妹は彼女に完全に任せていたそうだ。そして葬儀の二日前。さすがにそろそろ印刷した方がいいだろう、と思ったダンナの妹は次男の嫁に電話した。印刷所に持っていくくらい自分がやろうと思ったそうである。すると・・・

「私がせっかくスライドショーをやってすばらしい葬式にしてあげようと申し出たのに、感謝するどころか、葬式中スライドショーをやらないなんて、そういう信じられないことをする家族のために、どうして私がそんなものを作らなくてはならないのか」

二日前だぜ、二日前!

ダンナの妹は急いで普通の式次第を作り、印刷した。そして義母のところへ持って行った。それを見た義母が泣き出した。

葬儀の最後には喪主が参列者に挨拶をする。喪主は義母であるが、こういう場合は通常義母ではなく長男が挨拶をする。挨拶ったって参列者にありがとうございましたと言うだけのことである。ところがその挨拶をする人が長男ではなく次男の息子になっていた。

「お父さんとあんたが仲が悪いことは知ってたけど、葬式で挨拶もできないくらいお父さんのことを憎んでいるのか。情けない。」

いえ、それ違いますけど。長男(私のダンナ)は人前で話すのは嫌いだけど、最後の挨拶は自分がやらなくてはならないと思っていましたよ。仲良くはなかったけど、憎んではいませんよ。これまで毎週毎週、日系コミュニティ・センターのレジャー・クラブ(年寄り会)にも送り迎えしてたじゃないですか。お友達のお葬式に連れて行くのも長男の役目だったじゃないですか。長男は全然嫌がってませんよ。

説明の必要はあるまい。次男の息子が挨拶をすることに勝手に決めたのは次男である。「最後の挨拶をするのに最もふさわしいのは長男ではなく僕の息子」(ちなみに弔辞を読んだのも次男の息子。私の愚息はともかく、三男の娘や長女の子供達だって弔辞を読むのにふさわしい子供達である。)

私だって長男が偉いとは全然思っていない。でも、母親を泣かせてまでやりたいことか?

義母は式次第に書いてあることなんてどうでもいいからお前がやってくれ、とダンナに頼んだ。ダンナはもちろん快く引き受けたのだが、それだけは絶対に許せない、と主張するヤツがいる。葬式の最中に争いごとだけは避けたい。そこで、申し訳ないが、義母には我慢してもらうことにした。

どこまで自分を主張しなくてはならない奴等なんだ!

ちなみに、完成した式次第、義母の名前はどこにも載っていなかった。葬儀中、例え一言も話さないとしても、喪主として義母の名前を載せるもんじゃないのかな?


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