さきの友達「Ｔ」はみなさんもご存知のとうり
最強の女ですが
他にも個性的な友達はいます。

専門学校時代の友達、「Ｍ子」。
見た目は派手なねーちゃんでなかなかの美人なんですが
大ボケやろうです。
今でこそ不倫なんかしてすっかり汚れてしまいましたが
学生のころは深刻な顔をしてさきに
「実はあたしまだ処女なんだけどヘンかなぁ〜」
と悩みを打ち明けていたという純情ガールでした。

さて、さきが当時住んでいた東北地方では
秋になると「芋煮会」というものをします。
ピクニックみたいなものなんですがバーベキューをやったりする他に
「芋煮」もします。
「芋煮」とは簡単に説明すると「豚汁」のじゃがいもが里芋になったようなもので
地方によっては
「入れる肉は牛肉で味付けは醤油なのだっ！！」
「いやいや、やはり豚肉で味噌じゃないとダメだっ！！」
「何を言ってる！豚肉で塩味、これに決まりじゃっ！！」
・・・とこだわりがあるようですが。

そろそろ寒くなってきたなぁという１１月のとある日。
さきや大ボケ純情ガールを含めた男女８名は
車２台で「芋煮会」をすべく山奥の川原へとやってきました。

「おお、自然だ自然だっ！！」
「ここの川であとで遊ぼうっ！！」
「わいわい」「きゃぴきゃぴ」
と大騒ぎしながら
男は場所の確保と火をおこす「かまど」のセッティングを、
女は料理の準備を開始しました。

「野菜の準備しよーーぜーー」
「おお、この里芋、もう皮がむけているっ！」
と・・・その時。


べちゃ。

なにかが落ちた音が・・・・・・・。

Ｍ子の足元にはさっきまでパックに入っていた豚肉が
無残にも砂まみれになってたたずんでいます・・・・。

「勢いあまって全部おとしちゃった〜」

「全部！？」

「どーーするよ・・・・」と顔を見合わせたさきと他の友達。

「だーーいじょうぶだってっ！！！」
おもむろに肉をわしづかみにしたＭ子がむかったさきは・・・川。
川で肉をじゃぶじゃぶ洗う女。


おまえはアライグマかっ！？

その後、男たちは
争うように肉を食べていましたが
さきたちは苦笑いしたまま・・・・・・・。

川で肉を洗っているＭ子の姿が今もアタマから離れません。