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2005年06月30日(木)
宇野千代が代表作「おはん」を書き終えた後に、 一行も書けなくなってしまった。 そこへ中村天風が 「今度ね、自分の頭の中に舞台をこしらえて、その中でいろいろ、 あの女とこの男とひっつけよう、この男とこの男とこうしようというふうに 躍らせながらそいつを書いていったらいいだろう」 「出来ないと思うものはできない。 出来ると信念することは、どんなことでも出来る」 と言った。 「いい事聞いた!」宇野千代は、それいらいスランプを脱し、 書く文章も変ったという逸話がある。
この天風の言葉を、スットンと脳に入れてしまう彼女が凄い。 彼女は中村天風の弟子であり、その教えの実践者である。 天風の言葉が、彼女の中で血肉になって明るく具体的に 噛み砕いているところがよい。 ー「私は不幸に対してはなかなか凹まない自信がある。どんなところからでも、 私流に幸福を見つける自信がある。私は、勿論不幸は好きではない。 …自分を不幸だと思うことの方が、もっと好きではない。…」
ー「何事をするにも、それをするのが好き、という振りをすることである。 それは、単なるまねでよい。すると、この世の中も、嫌いな人がいなくなる。 このことは決して偽善ではない。自分自身を救う最上の方法である。」
ー「私たち人間は、何時でも、ものの考え方の方向を、絶対に明るい方に もっていきたいものです。明るいところには元気が、暗いところには 病気が必ず宿っているのです。」など、 まさに、天風の言葉が彼女の体験を通して具体的に諭しているようだ。
また、彼女の 「私、なんだか死なないような気がするんですよ。」という言葉もよい。 90歳半ば頃に発した言葉である。本心から出ているからよいのだ。 「人生はいつだって、今が最高の時なのです。」と語っている彼女の顔が 目の前に浮かぶようだ。 人生を最大限に生きた人は、サッパリとして清清しい。
ーつづく
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