股・戯れ言
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ジャスト29歳のクリスマス

「29歳のクリスマス」が再放送していたので見てみた。
放映時は15歳だったわけだが、今や立派に29歳。そして12月ですから、正真正銘の「29歳のクリスマス」を迎える身でございます。
しかし、放映時は全然見ていなかったから、「29歳でクリスマスを独り身で迎えるなんて・・・」みたいなドラマだとばかり思っていたのですが、全然違うのな。クリスマスなんて全然関係ない話であった。
ドラマを見るにつけ、14年前のトレンディって全然トレンディじゃないよなー、とかギバちゃんがわしと同い年という設定ありえねえ!、とかももちろん思いましたが、「うわー。それよくわかるわー」「ああ、そういうどうしようもないものだよね、人生て」ということばかりでした。
わしも伊達に29年生きてきたわけではないのだなあ。ドラマで知らされる我が人生。

山口智子が結婚を選ばず、仕事を選んだ時に
「自分が好きでいられる人生を、私は選ぶ」
「私は自分ですべてを選んできた。傷だらけの人生だけど、私はその人生が大好きです」
と言うのだけど、その気持ちがもーのーすーごーくわかる。

去年くらいは「わしも結婚適齢期だわ。なのに話が全然ないわ。さあどうしよう」などと焦っておりましたが、それは周りが結婚していくからとか、周りに「あんたどうするの?」と言われたことに影響されただけであった。わたしの人生にまだ結婚は、ない。まだ、その時ではないのだ。周りに促されて、焦って結婚するなんて、わしのやるべきことじゃなかったぜ。
わしは、自分の人生は自分で選択したいのだった。
結婚も、自分で選ぶのである。自分が本当に、心から結婚したいと思った時に、したいのだ。今の私は、誰かの人生を背負うこともできないし、誰かに背負われることもできない、準備不足の状態であるし。
結婚したいほど好きな人を、いつか、立派な女になった時に、迎えに行きたいと思ってますよ。求婚するんだ。
それまでは修行だ修行。女上げるぞ。


でもまあ、山口智子以上に共感したのが、松下由樹なんだよな。
松下由樹は不倫している女の役なんだけど、結構弱い女性で、うまくいかないことがあるとなんでも山口智子に頼ったり、泣きついたり、あげくの果てにはギバちゃんに泣きついた勢いでやっちゃって、それを「どうしよう典子(山口智子の役名)〜」と泣きついて山口智子になんとかしてもらったり、もうどうしようもないくらい弱いしめんどくさいのだけど、
最後の最後でギバちゃんの子供宿して、シングルマザーで産むと決めたくだりが、ものすごくよかった。

(シングルマザーなんて世間的によくないよ、そんなことしちゃいけない、という山口智子に対して)
「自分が本当にしたいことに、できない、しちゃいけないなんてないのよ!」

「私は、浅沼(不倫相手の名前)のことが好きな自分が、ずっと嫌いだったの!でも、今、この子を産むと決めたことで、自分がやっと好きになれたのよ!」

なんかこれ聞いて、会社に勤めていた時の自分がものすごく何もなくて、ちっぽけで、なのに辞めた後どうなるのかが怖いから辞められなくてずっといじいじしていたのを思い出しました。私は、会社に勤めている自分がずっと嫌いだった。好きになろうとしても、全然なれなかった。
でも辞めてみたら、怖いことはなかった。収入は減ったし、周りから見れば全然ダメだな〜あいつ、という感じかもしれないが、私は今の自分が好きですよ。自分で選択してよかったと思っております。
というわけで、このセリフ聞いて、まあ、声上げて泣いてしまったんだけど。

ほかにもギバちゃんが通販会社かなんかのクレーム係やってるんだけど、いろいろ苦悩の末、田舎に帰るというところも、会社の元同僚などを思い出して、ああ、そういう選択もある歳だよなあ、などと思ったり。


でも、先述の松下由樹のセリフ聞いてちと思ったんだけど、
わしが好きだった(だったじゃない、今もだ!)人は、きっと、こういう気持ちだったのだろうなー。
私のことを好きになると、自分のことがどんどん嫌いになってしまうという感じだったのだろう。
不倫とか道ならぬ恋ではなかったけど、そう思っていたと思う。
自分が自分じゃなくなっていくのに、耐えられなかったのだろうな。
(もっとも、恋愛というものは、すればするほど自分が自分じゃなくなっていくものだが、もしかしたら恋愛そのものが彼には苦痛だったのかもしれない)
それは私が苦しめていたのか、相手が自分で作った自分の「枠」を頑なに守った結果なのかは、わからないけど。
まあ、いいんですよ。今、彼が自分のことを好きであるならば。
一番大事なことは、彼自身が自由で、幸せな状態であることだ。
私は、相手のことが好きであった自分が好きだったしね。いや、今も好きだしね。自分ですべてを選択していくという、荒野のよな厳しい道を進んでいく中で、相手のことが好きだ、心から好きだということが、私の心の支えなのよ。
それがある故に、ひとりでも、前に進んでいける。


話がやや逸れましたが、いやあ、いいドラマであった。29歳ジャストタイミングで見られてよかった。
まあ、リアル29歳のクリスマスは、誰とも過す予定がないですけどね。
もうこの歳になると、別にクリスマスひとりでもなーんも怖かねえや、という感じであるよ。「あの人、ひとりだって。プ」と笑われても痛くもかゆくもねえぜ。

あと、長堀さん役で出ていた人がかっこよくて、ポワーンとなりましたが、
あとで調べたらトランペッターの近藤等則さんであった。
カッコイイ・・・と思ったら、一回、ビル・ラズウェルのダブでドラムンでアバンギャルドなバンド(名前忘れた)のステージで見たことある人だった。
同一人物には思えなかったなあ。まあ、14年経ってるしな。






2008年12月04日(木)

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