股・戯れ言
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【今更ジローシリーズ】るっぱリサイタルin蔵王

私はスノーボード愛好家です。
スノボやるというと「ケッ!気取りやがって」「調子こいてんじゃねえよ」「スカしたとこでモテもしねえよ」などのバッシングを受けることも度々ですが、めげません。
だって雪滑りおもしろいんだもの。やめらんね。

というわけで1月26日、山形蔵王に行ってきました。
一緒に行ったのは「サックス吹きのオトコ姉ちゃん」るっぱさんでございます。

いつだって計画性のない私たちですから、なんとなく「このへんの時期に行く?」と日にちだけ決めておいて、新幹線だのホテルだのを手配したのは出発の2日前という有様。
でもリフト券つきとかじゃないから往復新幹線&ホテルで15400円。山形行くなら「驚値」を使わなきゃダメだよやっぱ。いや、山形に限らず東北行くなら断然「驚値」(おどろきダネと読む)!
JR東日本の回し者ではありませんが。

しかしこの「驚値」唯一ネックなのが限定列車に乗らなければイカンのです。
今回チョイスすることができる列車は始発かお昼頃発の便のみ。スノボに行くのにお昼に東京出るなんてありえないので、ここは頑張って早起きして始発に乗ることにする。
6時には東京駅に着いていないとなー5時には起きなけりゃなー、と思いながら寝て起きたら5時ちょうど。
しかし、一瞬の空白の時間後に再び目を覚ますと時計の針は5と9を差していたのだった。

5時45分!

文字通り飛び起きた。
あれほど鮮明にベッドから飛び起きたことはなかったんじゃないのか。
そして人間技とは思えないほどの速度で準備を終えて家を飛び出す。
前にも書いたかもしれないが、家が東京駅から車で15分以内のところにあってよかった。

るっぱちゃんは既に到着済み。
あわててホームに駆け込み、すんでのところで間に合う。
乗ったら乗ったで安心しちゃって、朝6時台だろうとかまわずビールを飲みだするっぱさんと私。いいご身分だ。
で、飲んでベラベラ話しているうちに山形着。

12月末に2度来て以来の山形は、街中にも雪が積もっていた。
12月にきた時は「今年は雪が全然降らなくてスキー場は大変だ」という話を聞いていたのだが、1月頭からバカみたいに雪が降ってかえって雪害なんかが大変だという。まあ、それでこそ東北!北上もすごかったからな。

バスに揺られて山を登り、蔵王へ。
バスの中では寝ていたんだが、起きたらまんまと切符なくしてんの私。
まんまとの意味がわからないが。しかし自分のことなのに他人事調でいうが、私はほんとにモノを失くすことの天才だ。さっさと天才失格になりたい。
失くした旨を正直に伝えて勘弁してもらう。

いざバスを降りたはいいが、目の前にゲレンデが広がっているわけではない。
事前に何も調べてなかったので知らなかったのだが、山形蔵王はバカ広いスキー場なのでゲレンデが何個も何個もあるのだな。で、このバス停から向かうにしてもバスで「横倉ゲレンデ」だの「上ノ台ゲレンデ」だのに向かわねばならないらしい。
あとるっぱちゃんが板を借りるので、レンタルスキーがあるところに行かねばならぬ。といってもどこでレンタルスキーができるのかすら調べていなかった。行き当たりばったり我が人生。
たまたま目の前にバスが止まっていたので、「このバスでゲレンデ行けますかー?」と運転手に尋ねたところ、あら、ま、白い肌で初々しいハンサムな男の子でしたよ。
おそらくるっぱちゃんと私より年下なんだが。
「あの運転手はいい男だね」という話で盛り上がる。
オカマと心の通じ合う瞬間。
オカマ(るっぱちゃん)は目ざとく運転手の名前までチェックしてたが。(名前失念)

そしてバスに揺られて上ノ台ゲレンデというところに着いたはいいが、「雪が積もりすぎてゲレンデまで行けないので」と中途半端な位置で降ろされる。
なんだよーと思ったが、そのいい男運転手君は「あそこでレンタルできますんで」とレンタルスキーの場所も教えてくれた。
いい子だね。(早川義夫ばりに褒めてみた)
教えられたレンタルスキーのところは80くらいのおじいさんが経営していた。

とにかく何を言ってるのか聞き取れない。

しかし
「ここで着替えてっていいよ」「荷物も置いていっていい」
「終わったら適当に板を立てかけておいてくれればいい」
「スノボのほうも置いてっていいよ、明日まで」
とよくわからないけどもサービス満点。
ご厚意に甘えてそこで着替えて荷物も置いていく。
るっぱちゃんのスキーウェアがスパイダーマン柄でとんでもなく派手でした。

そんなこんなのうちに時刻は11時30分くらいになっていた。
やっとこゲレンデ到着。
で、まずやったことは昼食とビールを飲むことだった。
ゆ・る・い!
いつだって計画性のない私たちですから。

でもやる時ゃやる子たちなんですよ私とるっぱちゃんは。
ガンガン滑りましたよ。ゴンドラやリフト、ロープウェイのようなものを乗り継いで山のてっぺんまで行ってガシガシと。
途中軽く道に迷ったりもしたけど。
あと山形蔵王はなだらかな場所が多すぎて、スキー向きでした。
スノボの私は何度板を足から外したことか。
火曜日だったのと、樹氷祭りの直前だったこともあってゲレンデは空き空き。
樹氷になりかけの木を見て「こわいよーモンスターだよー」と怯えたりした。
山の上のほうは風も強く、完璧な樹氷も盛りだくさんであった。

山のてっぺんに向かうゴンドラの中でるっぱちゃんがポケットからおもむろに笛を取り出した。

「山のてっぺんで吹こうと思って持ってきたんだ」

サックス吹きが本業(正確には無職)だから、笛を吹きたい気持ちはわかる。
けど、寒いし風が強いぞ山形蔵王山頂。
グローブ外したら指がもげるんじゃないのか。
しかしゴンドラの中で「何吹こうかしら」と練習をしだするっぱちゃん。
笑っていいとも吹いてよ、とか適当なことを言ってたんだが、結局JRスキースキーな感じで、ということで「チューチュートレイン」となった。
ナイス選曲!しかし果たして無事吹くことはできるんだろうか・・・

山頂の吹雪具合は私らの想像をはるかに超えておりました。

前 が 見 え な い よ

ホワイトアウトの世界だ。
しかも事前にここで吹こうぜ!と決めていたでかい地蔵のところまで行くのに結構歩くではないか。
猛吹雪の中向かったのだが、もう指がもげそうでたまらん。
一旦引き返してレストハウスで休憩。自然の猛威に触れてしばらく会話もなかったほどだ。
ほどなくして2回目挑戦。
今度は地蔵まで辿り着いた。
巨大な地蔵ときいていたのに、その地蔵も顔から上だけが雪から出ているだけであった。
どんだけ雪積もってんだよ!

るっぱちゃん、「チューチュートレイン」吹きだす。
私、それを携帯で写真撮る。

お互い指がもげかける。

ワンコーラスだけ吹いて撤収。逃げるようにレストハウスへ戻る。
ほんとに寒くて死ぬかと思った。
さっさと滑って下山。


・・・がその下山もカンタンにはできませんでした。
ゲレンデが何個もあるのだから、せっかくだから違うゲレンデに行こう!と適当に滑っていたのです。
そしたら気がついたら上級者コースに紛れ込んでいたのだった。
普通の上級者コースなら適当にも滑って降りることができるのだが
その上級者コースとは



傾斜38度の「横倉の壁」というやつだ。
傾斜もスゲエけどこぶがゴツゴツしてやがんの。
しかも↑の写真は雪崩起こしてる時の画像だ。どんだけ急角度なのかと。
そんなところをスイスイ滑るなんてもちろん不可能なので、「るっぱちゃん、先滑っててくれい。私はガタガタ降りてくから」と先にるっぱちゃんを送り出すことに。
るっぱちゃんはナヨナヨしているがサックスとスキーはうまいのである。
「あ、わかったぁ。あたし先滑ってるねぇ」と先に滑って行くるっぱちゃん。
その姿はすぐに見えなくなった。
スキー滑ってるとこういうところがスイスイ滑れるからいいよなー、と思いながらおそるおそる崖下を覗く。
ほんとに絶壁。おそろしい。
るっぱちゃんの姿はもう完全に見えない。
ゆっくりゆっくりと滑っていったところで、コブの合間からるっぱちゃんの姿が豆粒のように見えた。

・・・あれ?
帽子がふっとんでる?

近くにいたスキーヤーの人にストック手渡されてる?

あ、手渡されてるんじゃなくてそれで起こされてるのか?


ゆっくり下りながらるっぱちゃんに近づくと、るっぱちゃんの髪が雪まみれになっていることに気づいた。
鼻血が流れていることにも気づいた。
そして額にはでかいコブができていた。
こんなところで流血騒ぎ。

そんなるっぱちゃんに「ちょっと休むか!おしぼり濡らしてくるから」などと言いつつ、すぐに「ビールでも飲むか!」と言ってビールを飲ましたのは私だ。

救護室に行こうとしたらえらく遠いところにあるのでヤメ。
その後も懲りずに山の上に向かい、帰りは道に迷って大変だった。
ナイターもあったがあまりの寒さに断念。
帰りは蔵王温泉に浸かったが、公衆浴場だったのでほんとに風呂しかないところだった。

そしてバスはすでに発車した後で1時間弱待つという段取りの悪さ。

菓子を食いながらストーブの前で行きのバスの運転手を覗き見して待つ。
るっぱちゃんはストーブの周りの金網でタオルを干していたのだが、気がついたらタオルが焦げていた。
ジャイアンツのタオルだったのに。


続く

(股旅・戯れ言用に書いた1月26日、27日の山形蔵王スノボ旅記だけど
勢い余ってこっちに載せてみた)
2005年05月22日(日)

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