股・戯れ言
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キャバレー・ニッカツロマンポルーノ

自衛隊問題だとか鳥インフルエンザ問題だとか、世の中には問題が沢山あるわけですが、目下、私がもっとも悩んでいることは
「『花と蛇』を見るべきか、見ないべきか」
ということなんです。(3月4日午前11時16分現在)
杉本彩で映画化というニュースを聞いたときからからネット上の情報は追ってきた。アサヒ芸能だか週刊ゲンダイだかの「杉本彩 袋とじエロス」というものが存在するのもチェックした。もちろん会社から「花と蛇」のHPも開いた。

けどなぁ。
杉本彩が静子夫人って、やっぱ違う気がすんだよなぁ。

団鬼六の「花と蛇」は高校時代にちまちまと古本屋で購入して読んだ。いや、それ以前に、富士見書房の全刊行物目録(よく本屋でタダでもらえるやつ)をもらってきて、富士見文庫団鬼六全集のあらすじ説明文でせんずりをしたんだったよ中学生マインド時。こたつの足で。
いやー富士見書房の刊行物目録には大変にお世話になったんだった。確か富士見ロマン文庫の項目ばかり繰り返し読んでいた気がする。O嬢の物語とか好奇心の強い女とか好きでした、確か。
ああ、そんな話じゃなかった。花と蛇か。ニグロと交わるのは恥辱であり、「SMの終着駅は人工授精」なのかと刷り込まれた記念碑的作品ですよ。あと、誘拐されると花電車をひたすらやらされたりする、というのも笑ったけど衝撃だった。ズベ公だらけの葉桜団だのシスターボーイだの、その当時の文化も盛り沢山だった。生きてないから知らないけど。

で、なんで今「花と蛇」を見るべきか否かで悩んでいるのかと言うと昨日たまたま予告編を見てしまったからなのでした。レイトショーでなんか面白い映画やってるんじゃなかったかと銀座シネパトスにふらりと行ったら、偶然「妖艶
列伝」という日活ロマンポルノ特集上映がやってるではありませんか。
こりゃ行くしかないよ、と男ばかりが待つ列に並び、鑑賞することに。
そこの予告編で杉本彩版「花と蛇」を見たわけだ。しかし、小唄と日本舞踊に長けていたはずの静子夫人が、タンゴの名人ってことになってるよ!・・・そして「これ以上は過激すぎてお見せできません!」だって。なのに誰だか知らないオヤジがドンキホーテで売ってそうなコスプレセーラー服着てるのがちらちらとスクリーンに映る有様・・・!
どうなんだコレ
そして映画の宣伝文句が
「今世紀、もっとも過激な映画」
今世紀はまだ4年しか経ってないからな。

そんな予告編の後に始まったのが「悶絶!どんでん返し」という映画なのだが、
これが!当たりも当たり、大当たりなのだった。
70年代のロマンポルノというのがどのようなものだったのか、私は当然のように知らないわけだが、なんとなく苦痛に歪む顔とかくらーい感じとか孤独にせっせとせんずりしながら見るものというイメージが勝手に植え付けられていた。
ジャンプ風に言うと「官能、苦痛、快楽」というか。今でも上野や浅草、新宿に存在する古くて汚いピンク映画館中にザーメンの匂いがジメジメと広がっているような、なんか後ろめたいイメージ。
だったんだが、これはそんなイメージを総て覆すような全編コメディだったから驚く。しょっぱなのおさわりキャバレー場面から底抜けに明るい。キャバレー名が「メキシコ」で「アタックタイム、アタック、アタック」だからなぁ。
余談だが未だに野毛に行くと「キャバレー ロンドン」があったりする。どんな人がハッスルタイムしてくれるのか。
ここのホステス役で出てくる谷ナオミがこれまた全編いいのですよ。谷ナオミが谷ナオミ自身をパロディにしているような普通のおねえちゃん役で。「あたしも昔はよくこんな風に縛られたものさー」(言い回しは多少違うかもしれないが大体こんな内容)なんて、谷ナオミが言わないで誰が言う。
そんな谷ナオミもさることながら、主役の男の変化ぶりがすさまじい。
オカマ自体がまだ珍しかった時代なんだろうなぁ。
内容はこれ以上書かないようにしておこう。
ここで調べてみたりしてください。
http://www.nikkatsu-romanporno.com/
先ほどのピンサロ風景もだが、とにかく当時の新宿の風景なんかも今じゃ史料価値があるんじゃないかと思われる。リキッドルームが入っていたビルは70年代後半から存在していたのか。そりゃ床も抜けそうになるわ。

そしてこの映画のこれまた素晴らしいのが、効果的に挿入される矢野顕子の「あんたがたどこさ」!そいから奥村チヨの「終着駅」に「愛〜それは甘く〜」ってやつなど、すべての音楽がここぞ!というところで流れるのがたまらん。

この「妖艶列伝」、今後もコンスタントに公開されるそうで
来週水曜からは「桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール」なんだと。橋本治!・・・また銀座シネパトスに足を運ばねば!
あ、ちなみに「悶絶!どんでん返し」は金曜までやってるらしいので興味のある方は是非是非。

映画のチョイスだけ見てると私とT駄さんは見事に性別逆転していると思った。
私も「ラブ・アクチュアリー」でも見てOLらしくなりたいっす。
つーわけでドッグヴィルは結局見に行かなかったのでT駄、どや?
2004年03月03日(水)

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