泥沼
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「ブラヴォー・ツー・ゼロ」見た。 ネタばれるよーネタばれるよー。
よし。
って言っても。ネタばれてもネタばれなくてもあんま関係なさそうだが。
記録的な映画、と言いましょうか。 なんていうか、エンタテイメント性は低いと言うか、無いと言うか。 でもいいドキュメンタリーです。うんそう、ドキュメンタリーってやつだ。
ストーリーのあらすじは略す。
リアルだという評価もあったけど、私にはあまりリアルに感じなかった。 たぶん、アンディの心理描写がとてもアッサリしてるからだ。 というか、ほとんど心理描写はない。 アンディが思い返しながら(あるいは小説をそのまま?)淡々とした口調で語るのみなのだ。 だから、見てるほうも「うぐっ…。」とは思うけど、ほんとに心の奥底まで痛みを共有できない。 似た体験をしたことのある人ならリアルに感じるのかな。 私がリアルに痛みを共有できなかったのは経験したことのない想像が追いつかないものだからかも。 (抜歯はしたことあるけど麻酔したし・・・でもすごい腫れたな) そうね、それにきっと見てる人に痛い思いをさせるのが目的の映画じゃないんだろうね。 作者でもあるアンディは、「俺はこんなヒドイ目にあったんだ!」って言いたいんじゃなくて、「こんなことがあった。事実なんだ。」って。 そう、やっぱりドライなんだ。 彼は仕事にプライドを持っている。 愛国心のためじゃないよね?世界平和のためとかそういう感じもしなかった。 ただ淡々とした戦闘と、麻痺していても(意図的に麻痺させている?)感じる恐怖。 SASがどういう組織なのか知らないからなんともいえない。 子供のため、妻のため、家族を養うためと言うわけでもない。(と感じた) 戦争の恐ろしさ、あるいは空しさ?そういうのも知ってる上でビジネスとして兵隊をやっている感じ。 それが正しいことか間違ったことかは誰にもわからないけど。 誰も非難も賞賛も出来ない。するべきではない。 そういう風に生きてる人もいる。ってこと。 そして死んだ人がいる。 彼が伝えたい重要な要素として、それがある思う。 死んでる人はいっぱいいる。敵も味方も。 それでも彼にとっては、特別な仲間、かけがえの無い仲間だった。 彼らのことを知ってほしい。そういう気持ちを感じ取った。
見終わってまず思ったのは、主人公のアンディはとてもタフだなぁってこと。 いや、そんなタフの一言で済ませられる経験じゃないけれど。 でもやっぱり強いから帰ってこれた。 極限状態の中で生き残れた。精神的にも、肉体的にも。 苦しみながらも、屈しなかった。暴力とか絶望とか、そういうものからね。 そういう状態から正常(?)なところに戻ってこれる強さ。 運の良さもあったろうけどね。運も、強さのうちだ。 私はタフじゃないのでそういうものにあこがれる。 強く生きるということをしている人がとても、うらやましい? 経験自体はうらやましくないんだけど、なんだろうなあ。 やっぱり、力が欲しいと思うのは人間として当然でしょう? 生きる力が欲しい。
これは私の個人的な見解。 じゃあアンディはこの映画で何を見せたかったのか、何を伝えようとしてるのか? 小説も今度探して読んでみたら、そこらへんわかるかしら。
ああ、目当てのはずだったショーン・ビーンね…。 正直かっこいいだのかかわいいだの言ってる場合じゃなかったな。 何回か見て、彼だけに注目して見れるようになったらそういうのも楽しむ余裕出るかもしれない。(笑) 字幕追ったり状況把握で結構大変。(でも吹き替えだと声が聞けないからね) ところどころ、こりゃあセクシャルハラスメントだ!ってシーンがありましたな。 手を縛られて地面に置いた皿から食べ物を食べたり、下着脱いだり(自発的にだが)。 人間の尊厳を無視したような扱いもところどころ。(やはり表現は淡々としていたが) ボロミアのせいで少し弱いところもあるけど潔癖で明るい紳士(笑)のイメージがあったんだが。 もーしかして、ヨゴレ役・・・というか痛い目にあう役が多いのかな。 悪役が多いらしいとはきいていたけど。 うーん、ここで喜んだら変態だし、悲しんでも失礼だし。どうするよ? そうねぇ…、色々やっててすごいな…尊敬だね。そう、尊敬! 役者さんはすごい。
では映画の細かいところの感想を。 もう会えないかもしれない奥さんにも、もじもじしたすえ頬にキスのみ。(目の前で部下が恋人と濃厚なキッスを交わしているのだが…) 奥さんとの会話もいまいちさえない。うーん…2人ともシャイなのか? まぁ、日本人だったらここで何もしないだろうし。も イギリス人もこんなもんなのかもね。(くどいようだが目の前では部下が恋人と濃厚なk) 戦闘シーンは、特別な技法などは使っていないようでしたがやはり迫力がありました。 「戦車VS人」って圧倒的に人が不利だろー!と思ったのに。 なんか、やっつけてました。そして逃げる。 さすがエリート部隊?(彼らそんな感じしなかったけど、実力はすごいんだなぁ) でも、善悪の戦いじゃないので見ていて複雑だった。 とある国の人だったら「イラクは蛮族!敵!悪!」って疑問持たないかもしれないね。 でも私は、どういう視点から見ればいいのかわからないし、何が起こっていたのかも知らない。 だから複雑。 「これは何だ?何のための戦い?」 今実際に起こっている戦争も、わかりません。みんな何やってんの? 勉強不足なんだよな。地球人としてのほーんと見ていていいものか? じゃあ何をする?ノコノコ出て行って何か、殺し合いとかをするべきか? わからない。 そして、遠くの現実と目前の現実のギャップに戸惑ってしまう。 でも勉強は必要だよな。しっかりしなきゃ。 殺されたイラク兵の父親や、一般人たちがアンディたちに怨恨をこめた攻撃をするシーンがとても心痛みました。 普通のおじさんおばさんなのに、みんな殺意と憎しみでにごった目をしている。 どうしてこんなことになってしまうんだろう。 イスラエル兵だと誤解しているから?それとも何か恨みを向ける対象が欲しいのか?何でもいいから。 それでも、彼らは悪くないんだと思いたい自分がいる。 イラクの一般人の人たちとアンディ含むSASの人たち、両方ね。 それじゃあイラクの兵隊は悪いか?機密警察(だっけ)は悪いか? 一番悪いのは?そんなのわかんないよ。 さて、感想じゃなくなってきたな…。(苦笑) ところどころジョーク?暗くなるのを盛り上げるための冗談があるんだけど。 そういうのは、ほほえましさもあったけど、半分切なかった。 緑色のキャンディーはダメらしいよ。 意味わからないや。イギリスの人、あるいは軍隊の人ならわかるのかな。 おっと、忘れちゃいけないラストのアンディの言葉。 中には楽しみすぎた奴もいた、出来ることなら殺してやりたい。 と、そのようなことを。(もう記憶がおぼろげだが) 冗談では、無いよね? 最後には一番伝えたいことが来ると思うんだが。 これが?これが一番伝えたいメッセージ? 映画自体も、けっして愉快な、明るいものではなかったけれどこれは堪えた。 悲しいラストだ。 でもそれだけ、おそらく精神的に傷つけられたんだろう。 肉体的な痛みよりずっと、精神的な痛みは残る。深く。 そして何年もたったあとでもよみがえる。 仲間の痛みや苦しみも、きっと一緒によみがえるだろう。 彼は隊のリーダーだったから、その責任感も彼をいつまでも苦しめるだろう。 強いだけじゃない。やっぱり、弱い人間なんだものな。 それがいけないとは言わない。 ただやっぱり、悲しいラストだ。 娘が救い、みたいなシーンがところどころあって、それにほっとしたけどやはり一抹の悲しさが。 あと、仲間とのやり取りとかにも心温まったけど。 しかし作者さん?のアンディは、なんていうかな皮肉屋というかあまり感情を出さないところがあるね。
「カラバッジォ」は気が向いたら細かく研究してみたい。 人物造形とかテーマとかね。 とても文学的な映画だなって、「ブラヴォー・ツー・ゼロ」見て実感。 すべての映画が文学的である必要はないんだけどね。 文学的という定義も、難しいしなぁ。 記録的な小説、映画だって文学といえば文学なのかもしれないものね。 心を打つものがあるかどうか。 しかし、うまい人にかかれば内容はともかく見せ方である程度はお涙頂戴には出来る。 (私はそういう、ナカミの薄い感情だけに訴えてくるようなのはいまいち…。 例を挙げられるわけじゃないし、そんなのめったにないだろうけど。それに近いものは結構あるんじゃない?)
なんていうかな、あえて?そういうお涙頂戴な感情的な映画にしなかったところが良いと思うよ。 やろうと思えばもっと感情的な、見てる人がおいおい泣くような演出できたはず。 でも、やらなかったんだ。
楽しみを求めてる人には勧めない。 そうだな、好奇心旺盛な人には勧めてみたいと思う。 なかなかいい経験になるかもしれない。その人次第、受け取り方次第だが。
次はなんだっけ、ビデオ屋でタイトルド忘れしちゃった「パリオットゲーム」探そう。 「007/ゴールデンアイ」もね。 実は気になるのが「ブラックビューティー」ってやつなんだけど。 マイナーそうだからうちの近くのちっさいビデオ屋には無い予感。 馬いっぱいなんだってさ!馬はいいよね、うん。
げ、5時?3時の壁を越えてしまった…。(割と頻繁だけどな!) 映画見終わったの2時半くらいだから…感想書くためにか…。 いやでも、消化するためには良くかまなければいけないように。 何か作品を見たら感想かかないとね、消化不良起こしちゃうよな。仕方ない。 でも、今日は一限目からなのにな。アホやなぁ。 ふん、ギリギリ二時間半寝れるな。いちおう寝とくか。 気休めだけど。(笑)寝れるかねぇ…。
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