泥沼
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2004年04月19日(月) 食べ物は大切に

「Itと呼ばれた子」3冊目も読み終わりました。
これは虐待されたとかされてないとかそういう問題抜きで。
いろんな人に読んでほしい本だな、っと思った。
特にこれから親になる人、親になる可能性のある人。

1冊目はとにかく辛くて悲しかったけど。
2冊目、そして3冊目で救われました。
生きる勇気を、くれる本だと思った。
うん、おすすめ。

というわけでガッコでまた本借りてきた。まだ読んでない。
「ドキュメント 屠場 」 鎌田慧 岩波新書
ちくま文学の森の「動物たちの物語」 筑摩書房

屠場っていうのはいわゆる動物の屠殺をするところですね。
私はずっとそういう職についている人は辛いだろうな、かわいそうだなって思ってたんだけど。
それって、失礼なことなのかもしれないなって思った。
働いている人は、(おそらく)自分で選んで、誇りを持ってしごとをしているんだから。
実際、現場はどういうものなのか知りたいと思って。

でもやっぱりキツいわ。
あまり想像力を働かせずに読んだほうが良さそう。
写真はあまりよく見ない方向で。

でもね、こういうのって、慣れなんだと思う。
毎日動物を自分で殺して、それを食べて生きる生活をしていたら、
こんなにキツくなかったんだろうなと思う。
私は、私達はそういうものから切り離されすぎてしまったんだと思う。
だから血が怖いし、生き物を殺せない。
そのくせ肉は食べる。余ったら捨てる。
まあったく、勝手すぎだよね。

でもやっぱり、牛や豚が殺されるのを待っている姿を想像すると、
なんともいえないもどかしい気分になる。
人間と彼らに何の違いがあるというのか。
ちょっと脳みそと声帯が発達しているってだけじゃないか。
それでも、最低限食べるだけの分を、自分の手で殺すなら、
私だって納得できる。
でも、仮にも生命がモノのように大量に消費されるのは、
たとえ人間でなくても何か納得いかない気がしてしまうのだ。

そしたら、植物だって命じゃないか。奪うのは一緒じゃないか。
そう、そうなんだよね…。
よく動くから、わかりやすい意思表示をするから生き物ってわけじゃない。
みんなほんとは生きていて、お互いに与え、奪い、命が循環してるわけで。
私たちはみんな、いろんなものから命をもらって生きてるんだよね。
だから、大切にしたい。
口にするすべてのものに感謝したい。

いまの日本の食品生産と消費の仕組みには、やっぱり納得いかないものもあるけど。
でも、もっとあるがままだったころの自然な生活に戻れって言ったって、そりゃーどだい無理なハナシなわけで。
命といわずモノといわず、大量生産大量消費の時代だよねぇ…。

自分でも、どうしたら良いのかはわからないし、どうしたいのかも良くわからない。
肉とか魚とかの生き物だったことを感じさせる形や、血の味が気持ち悪い。
どうして、それを気持ち悪いと感じるのか。
倫理的な問題ではなくて生理的な問題なんだろうなーと思う。
ってことは、やっぱり慣れだよな。
努力をするもよし、別に食べなくても死にゃあしないんだから、
食べないってのもアリだとは思う。
何が最善なのか、正解なんてないけれど。
したいようにするのがその個体にとっての正解なんだと思うけど。
嫌いなよりは好きなほうがいいだろうから、好きになる努力はしよう。
でも私はもう育ち盛り過ぎたから食べなくてもいいよね、うん。
肉より魚と戦うべきかもしれない。こっちの敵さんは結構手ごわいぞ!
人間からは遠いけれど見た目がアレだからな!


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