ある大学院生の日記

2005年09月04日(日) 『敦』

いろいろあって来週おでかけすることになったのでその準備に都心に出て行って、コンパス高度計気圧計つき腕時計を買ったりしました。こういうことがあるとつい買ってしまうのはよくないですが、ええまあいいんですよ。ちょうどなかったわけだし。

夜は、世田谷パブリックシアタ「敦」を見に行きました。野村萬斎ということで(たぶん)。中島敦の「山月記」と「名人伝」をモチーフにした現代劇で、大道具小道具の類の少ない演出はやはり狂言からでしょうか。「山月記」といえば、

隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃むところすこぶる厚く、賎吏に甘んずるを潔しとしなかった。
という書き出しで有名ですが、今回のテーマは
人生は何事を為さぬにはあまりに長いが、何事かを為すにはあまりに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、事実は、才能の不足を暴露するかもしれないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己のすべてだったのだ。
あたりにあるようです。李徴のような才があるわけではないですが、胸に痛いですね。

しかし、これをみて「おもしろーい。もう一度みたい〜」という感想はさすがにいかがかと。いやまあ感じ方は自由ですけれども。

ということで、これを買っちゃいました。るるり。りりり。


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