| 2004年02月15日(日) |
ケータイを持ったサル |
本屋にいってうろうろしていたら,正高信男.2003.ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊.中公新書.があったので買って読みました.「意味のない会話ばっかりしてて最近の10代はサル並みだ」てな感じの本かと思っていたのですが,それにとどまらず,心理的・社会的な変化についても言及しているので非常に興味深いものでした.なるほどなあ,と思いました.うん.理学系のひとの本らしく,「だからこうしよう」といった話にはあんまりならず,あーなってこーなっているからこーなっちゃったのだ,なっちゃったのではないか,ということでお話は終わっています.読む人によって気になるところはいろいろあるとはおもうのですが,財政をやっている身から言えば,やっぱり最後のほうの,日本人の家族の形態の変遷,「専業主婦」概念の新しさ,といったあたりが気になりました.が,よく考えれば,ここは筆者の専門ではなかったのであるなあ.むー.「公的領域」という概念は,「行儀よくする」とか「みっともない」とか,そういった概念と極めて近いのではないかと思われ,こういう言葉たちを耳にする機会が減ってきたことはやはり故なきことではないのでありますね.きっと.
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