ある大学院生の日記

2002年02月04日(月) むずかしいところだ.すべてが.

世の中にはリアルタイム財政赤字カウンタみたいなのを作っちゃう人がいて,まあこれはこれでおもろいんじゃないかなあ.とおもったりする.しかしなんちゅうか,財政赤字がどれくらいならまずいのか,とかそういうはなしについては,まだまだ理解されにくいところであるし,また理解しにくいところなのであるなあ,とこういうところを見るとおもう.財務官僚(というほどエラくないとおもわれる)のなかにも,30兆円枠がほんとに守られたとおもってる人間もいるようだし,だいたい,「世代会計」の推定があっちこっちで行われるようになったのも,財政赤字なる概念がいかに扱いにくいかというのが問題意識のひとつにあったわけだし,やっぱりわかりにくいのはわかりにくいんでしょうなあ.「財政の破綻」をどう定義するか,がよくわからんのと同様に.まあ,くだんの財務官僚が,日本経済学会で財務省の考え方を代表していた,というオドロクべき事実−−風評に過ぎないことを強く願うが−−もあることだし,いやいやなんとも,なのではあるけど.


あ,そういえば,宣伝するのをすっかり忘れていたが,


井伊雅子+大日康史『医療サービス需要の経済分析』日本経済新聞社


が出版されております.扉のところに著者紹介があるんだけど,片方だけ生年が書いてあるのはなぜだろうか,とふと疑問におもったりしております.いやいやにやにや.


本といえば,ドリトル先生シリーズの翻訳が問題になっているようだ.最近,手塚治虫(おさむ,で変換すると,治虫が候補に上がるぞ.えらいっ)の「BLACK JACK」を買い集めているんだけど,これも注釈がついていて,当時の差別的表現をそのままにすることの意味がどうしたこうした,と書いてある.まあ,うかつに修正してなにがなんだかわけわからなくなるよりは,そのままにしておいて,ことほどさように差別というのは根深いものだし,文学作品は時代性と不可分であるのよのお,ということを認めなければならないんだろうなあ,とおもう.だから,そのまま読ませっぱなしではいかんのだろうなあ,こういう作品群は.


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