たまに××したり。
INDEXこれまで。それから。


2002年10月08日(火) 誰?

何かを引き寄せてしまう力が備わっているとしたら、どうせならお金であったり、イイ男であったり、とにかく、自分にとって都合の良いものを引き寄せたいと思うのですが、あたしに限っては、どうもそれはトラブルであったり、貧乏神であったり、どうにもこうにも普通なら出会わないような出来事であったり、というようなことが往々にしてあり。

横浜市民であるあたし。本日、住基ネットの非通知の申請をするために朝から区役所へ。
手続き自体は書類1枚提出するだけなので、あっという間に終わり、昨日、仕事で些細な不手際が続いて、個人的に落ち込んでいたものだから、気晴らしに、と朝マックすることにした。
気晴らしで、朝マック。なんともやるせないが、朝マックするお金ももったいない気分だ。それをあえてするところが気晴らしたる所以。

で、朝マックなので、ホットケーキセットにした。360円なり。お金があるときなら痛くも何ともない金額だが、いまのあたしには結構大金に感じる。
だから気晴らしなんだってばッ。(くどい)

窓際の席について、ぼんやりとホットコーヒー飲みながら、マックビジョンなんて見たり、店頭にあった冊子をぺらぺらと見ていたら、少し離れたテーブルにいる女性客と目があった。
ノーメイクでパーマの取れかかった髪を白い幅広のヘアバンドでまとめ、白のTシャツに白のスパッツ、といういでたちでタバコをふかしている。

全くの他人であるから、すぐに目をそらし、ホットケーキを食べていたが、どうにも視線を感じる。
目を上げて、その女性のほうを見るとまたしても目があってしまった。
なんとなくバツの悪い思いで、すぐにまた目をそらすが、視界に入る彼女はなにやらくつくつと笑いながらぶつぶつとつぶやいている。
携帯で話してるのか、もしくは陰になって見えない部分に連れがいるのだろうか、と何気なく見たが、どう見てもひとりで座っている彼女は携帯で話してるわけでもない。もちろん、笑うようなことも何もない。
ここで少し、気味が悪くなった。

横浜と言う場所柄なのか、時たま危ないクスリか何かをやってるんじゃないかって言う人を見かけるが、その人もそんな感じ。クスリでなくても酔っているのじゃないか、という感じなので、できたら関わりたくないと思ったのだが、どうにも彼女の視線はあたしに向けられている。
あたしを見てはくつくつと笑い、目があうとまじまじと見つめられる。

どうにも居心地が悪くなったあたしはそそくさとホットケーキを食べ、コーヒーで流し込み、帰ろうとした。
テーブルの上を片していると彼女が手を振っている。
誰に?まさかあたしに・・・?
いっそうの気味悪さで、彼女の視線を避けるようにトレーを片し、店を出ようと出口に向かうと、彼女があたしの行方をさえぎった。
驚いて立ち止まるあたしに、彼女は極上の笑顔を向け会釈する。
もしかしたら知り合いだろうか、昔の知人だろうか、じっと彼女の顔を見つめるが、全く記憶にない顔で、どうしていいのかも分からないまま、真顔で会釈を返し、逃げるように店を出た。
彼女は名乗るわけでもなく、話し掛けるわけでもなく、追いかけてくるわけでもない。だけど、そのことがいっそうにあたしの中の恐怖心を増し、いても立ってもいられず、急いでエンジンをかけると何度も何度もバックミラーで後方を確認しながら、クルマで立ち去った。

「どなたですか?」
と尋ねることもできたはずだが、とにかく関わりたくなかった。
静かではあったが、そこに何か常軌を逸した世界を感じたからだ。

久々の恐怖体験でした。


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うらら |あばら家足跡恋文

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