覚書
覚書@幻水
2007年01月17日(水)
合法ドラッグ?
(1)
「…君、何やってるの?」


軍主に頼まれた仕事を終えて戻った自室は、出て行ったときとはまったく別の姿になっていた。
ただでさえ広いとは言い難い部屋のあちこちに奇妙な塊があって狭い。
おまけに床にはどれだけあるのか数えたくもないほどの無数の酒瓶。
唯一酒瓶の転がっていないベッドの上では、ルアンが一人酒盛りをしている。

「おー、お帰りー。遅かったな」
憮然として自分を見ているルックに対し、ニコニコ笑いルックも飲むーとグラスを持つ手を軽く上る。
「人の部屋で勝手に何やってるのさ。その塊は何。大体どうやって入ったのさ」
ルアンの戯言を奇麗さっぱりと無視し、かろうじてある隙間を縫うようにしてベッドへと近づく。
ルックの口から繰り出される矢継ぎ早の質問。そのどれにも返事をすることなく、目の前までやって来た部屋の持ち主に笑顔をかえす。
「ま、とりあえず飲めって。



(2)
腹が立つほど奇麗な月が浮かび、空気が痛いくらいに冴えた夜。
ランニングシャツ一枚でベッドに座り大きく開けた窓に寄りかかり月を眺める男が一人。
周りには空の酒瓶が転がっている。



(3)
ソレは、旅の途中のある日の出来事。
(美しい月が空を支配し、空気が痛いくらいに冴えた夜のこと。)

「ほれ」
窓辺に寄りかかり月を仰ぎ見ていたルカの目の前に、酒がなみなみと注がれた器が差し出された。
突然のことにもかかわらず、さして驚いた様子もなく、差し出されたほうへと視線を移す。
そこにはいつの間にか部屋に入ってきてたルアンが、壁に寄りかかるようにベッドに座り酒の準備は万全といわんばかりの大量の酒瓶を周りに転がしていた。
それだけでなく、ベッドの下にも乗り切らなかった分の山ほどの未開封の一升瓶。
あまりの量と用意周到さにあきれながら、受け取った器に目を落とす。
なみなみと注がれた酒は透き通り月を映している。

「で、今度は何なんだ」
やれ今日は何々の日だあの記念日だのと、ことあるごとに



(4)
「前から聞きたかったんだけどな…」
凄まじい勢いで食事を貪る姉弟をあきれたように見ながらフリックは口を開く。
聞こえているのかいないのか、相変わらずガツガツという効果音が聞こえるように食べ続ける姉弟を頬杖をついて眺める。

【姉弟に坊のどこが好きなのか聞く→全部(2主) 一緒にいるとどきどきするとこがくせになる(ナナミ)的な返事→坊登場】


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