日々雑感
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2006年03月29日(水)

巨きな樹の夢を見た。

だだっ広い草原の真ん中にその樹は立っている。幹は太く、自分はそこから伸びた枝から枝へと、まるで猿のようにつたいながら遊んでいる。

ちょうど、夏の早朝、人や生き物の気配が満ちてくる前の頃のように、どの色も鮮やかだ。草の緑。快晴で、空の青はこれからどんどん濃く、深くなってゆくだろう。

それまで夢中で遊んでいたのだが、ふと見上げると。

はるかに上のほうまで、幹はまっすぐに伸びている。いったいどこまで続いているのか、先のほうは遠く霞んでもう見えない。幹から分かれた枝の先には葉がしげり、その周りを飛ぶ鳥の影がある。

そこではじめて、その樹の途方もない巨きさに気づいたのだ。

聖書や北欧神話など、世界中に「世界樹」「宇宙樹」、あるいは「生命の樹」といったシンボルがあるけれども、目が覚めて、あれがそうなのかと思った。天と地とをつなぐ柱。世界の理(ことわり)そのもの。あれはヒトの領域を越えたものだったと思う。

樹の周りにはいろんな生き物が集まっている。自分もまたこの巨きな樹の枝先でちょろちょろと遊ばせてもらい、やがて朽ちてゆくのだろう。あの樹の上のほうからの景色や、樹そのものの全体は決して見ることのないままに。

けれども、決して恐くも不安でもなく、とても静かだった。
風が吹いていた。

いい夢、見ました。前日に新宿御苑で花見をしたせいでしょうか。


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