日々雑感
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2005年05月06日(金)

だだっ広い草はらに行った。ずいぶんと遠くの方まで見渡せる場所だ。

少し標高の高いその場所に立つと、ぐるりと海に囲まれているように見える。西の水平線上にはまだ雪の残る高い峰が、北の水平線上には深い森を抱く山地が浮かぶ。風力発電の風車がぐるぐると回っている。白く跡を残しながら漁船がゆく。

ふだんは風の強い場所なのに、朝も早いせいかひどく静かだ。紫や黄色の小さな花が咲く中を歩いていると、思いがけず近い場所から、ヒバリの声が聞こえてきた。見ると、一羽の小さなヒバリが、鳴きながら、上へ上へと昇ってゆこうとしている。一生懸命にはばたきながら、なかなかすんなりとは昇ってゆけない。あのさえずりは自分を鼓舞する声か。あるいは、その過程をもヒバリは楽しんでいるのか。そんなふうに考えるのは人間の勝手な思い入れと知りつつ、どの瞬間に声が止むのか、ずっと眺めていたのだけれども、どんどんと舞い上がり、ヒバリはやがて声だけ残して見えなくなった。


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