毎日、バスに乗って大学へ通っている。バスは旧市街を抜けて川沿いを走る。ときどき、大きな船がとまっているのを見かける。国境を越えてゆく船である。大学には東欧からの留学生が多い。チェコ、ブルガリア、セルビア、ルーマニア。ここはもうほとんどバルカンなのだと、街外れに住むドイツ人夫妻は言う。今まで訪れたことのあるどの街とも違う独特なこの空気は、無数の人びとが交差した、その轍ゆえか。夜、雨の音する。大きな傘を買わなければ。