日々雑感
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2003年07月12日(土) 最後の音

看護師をしている友人と、ほぼ1年ぶりに会う。表情も言うことも、以前とはまるで違っていて驚いた。仕事を始めて1年目の昨年は「いっぱいいっぱいだった」と自分で笑う姿は、すっかり大人びて貫禄まで感じさせる。この頼もしさは、きっと「プロ意識」から生まれてるんだろう。

入院病棟にいるため患者さんの最期を看取ることも多いという、その彼女のはなし。人が亡くなってゆくとき、最後まで残る機能は「耳」なのだと言う。身体が動かなくなり、目が見えなくなり、それでも、聴覚だけは反応し続けるらしい。

いつか自分がこの世からいなくなるそのとき、聞こえてくるのはいったい何か。すべての人が還ってゆくのも、ひょっとしたら音だけの世界かもしれない。だとしたら、そこで響いているのはいったい何だろう。


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