『ロルカ・スペインの魂』中丸明(集英社新書)読む。生まれた土地から旅立ってゆく、あるいはそうせざるを得ない人と、その場所から終生離れられない人と、誰もがそのどちらかに分かれるのだという。だとすれば、繰り返し自らが生まれたアンダルシアの地に戻り、フラメンコにのめり込み、民衆歌謡である「カンテ・ホンド」を採集して回ったロルカは、間違いなく後者だろう。一日雨。青くなり始めたあじさいも濡れる。