日々雑感
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2泊3日で佐賀。2日目に用事が済んだので、最終日は唐津まで行くことにする。
各駅停車はゆっくり進む。れんげが咲く。菜の花の黄色。山に囲まれているのだけれども、それらもどこかのんびりと構えているようで、地元の東北で時折山から受ける威圧感がない。九州の印象をひとことで言うとしたら「穏やかさ」だ。うすぐもりの春の一日だったせいもあるかもしれないが。
唐津は玄界灘に面したお城のある町。西の浜沿いの石垣の道を歩いて、唐津城の天守閣までのぼる。唐津の町並、湾へと注ぐ川に架かる何本もの橋、海岸線に沿って黒松の林が広がり、水平線の向こうには島影がかすむ。
それらを眺めながら、遠くへ来たなあという思いになる。それは何も自分の暮らすところから遠くまで来たといった相対的なものでなく、西端や北端など、海に面した「端っこの町」には、場所そのものにそういう思いを呼び起こす力があるような気がする。目には見えない「海の向こう」を感じるからか。
帰りは福岡空港から飛行機。ちょうど太陽が沈む頃の雲の上の景色はすばらしかった。空と雲だけの音のない世界。ひたすらに広がる雲は空の色を映して、白というより、むしろ青。北極、あるいは南極、快晴の大雪原を走るとしたらこんな感じか。ただし、ちょっと揺れた。手のひらに汗かく。
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