日々雑感
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雨の日。建物の中から聞く音も、外にいて傘に当たる音も、強すぎず弱すぎず、ちょうどよし。草木がぐんぐんと伸びてゆく、そんな時期の雨だ。湿った土の匂いがする。
『ヴェネツィア』陣内秀信(講談社現代新書)読む。オリエントやアラブの影響を濃く残した、迷宮都市、そして何より水の都。建築、歴史、文化人類学、「街を読む」方法はいろいろあるけれども、専門である建築史をベースとしつつも、様々な分野が交錯したところからヴェネツィアを眺めようとする陣内氏の眼差しがよい。
夜になっても雨の音がする。海のそば、あるいは川のほとり。常に水の音を聞きながら暮らすのは、どんな思いがするものだろうと思う。
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