日々雑感
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2003年03月15日(土) アンコミュニカビリティ

小雨。傘をさして近所のパン屋へ。パンの上にまぶした「けしつぶ」に惹かれて、久々にあんパンなど買う。他にサンドイッチ。サービスデーということで青い縁取りのある白い小皿がおまけに付く。

『ベラルーシの林檎』岸惠子(朝日文庫)読む。イスラエルとパレスチナの紛争、湾岸戦争の爪痕、旧ソ連解体後のバルト三国。テレビ番組のレポーターとしてそうした地を実際に歩きつつ、そこで岸さんの眼差しがすくいとるのは、一貫して、異なるもの同士に生じる摩擦、わかりあうことの難しさ。本文では「アンコミュニカビリティ」(意志不疎通性)という言葉が使われているが、この本が書かれてから10年たった今でも、依然として世界には「アンコミュニカビリティ」が満ち満ちている。暗澹とした気分になるけれども、絶望している場合ではないとも思う。

夜、おぼろに霞んだ月が出る。雨の匂いの名残りあり。



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