日々雑感
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2002年11月07日(木) 「ノスタルジア」

立冬。冬の匂いのする日。

渋谷にてタルコフスキー「ノスタルジア」を観る。冒頭のシーンから鳥肌が立った。霧、光、影、炎、そして水、いろんなイメージがどっと流れ込んできて、2時間動けず。

例えば、意識してとらえてはいなかったはずなのに、かつて目にした/今、目にしている光景のある部分、どこかから聞こえていた雨の音であったり、犬の吠える声であったり、あるいは壁で揺らぐカーテンの影であったり、そうしたものが、長い時間を経たあと不意に生々しく浮かび上がってくるような。スクリーンを観ながら、そんな体験をしていた気がする。知らず知らず身体に刻み込まれるイメージの群れ。

映画館を出たあとも、くらくらしたまま夜の渋谷を駅へと向かう。すごかった。


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